事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ワ)1940 |
| 判決日 | 2020-10-30 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法424条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) 本件事業所税に係る租税債権の被保全債権適格の有無 (2) 本件各行為の詐害性の有無 (3) Aの詐害意思の有無 (4) 詐害性についての被告B及び被告Cの善意 4 争点に対する当事者の主張 (1) 争点(1)(本件事業所税に係る租税債権の被保全債権適格の有無)につい て (原告の主張) 詐害行為取消請求においては,原則として詐害行為の時に被保全債権が存 在していることを要するが,債権成立の基礎となる法律関係や事実が詐害行 為の時点で発生し,被保全債権の発生が確実なものであるときは,詐害行為 以前の時点で被保全債権が発生していることを要しないというべきであり, 当該債権を被保全債権として詐害行為取消請求をすることができるものと解 される。 そして,本件においては,Aを納税義務者とする本件事業所税の納税義務 の基礎となる法律関係や事実関係(対象事業所の運営)が存在しており,詐 害行為の時点において,本件事業所税に係る租税債権の発生が高度の蓋然性 をもって見込まれる状態であった。 したがって,本件事業所税に係る租税債権を詐害行為取消権の被保全債権 とすることができる。 - 4 - (被告らの主張) ア 詐害行為取消請求の趣旨が債務者の責任財産の保全にあることからすれ ば,被保全債権は詐害行為の前に成立している必要があるというべきであ る。 しかるに,原告の主張する被保全債権は,いずれも平成28年10月4 日付けの決定通知をもって課税要件が確定し,Aの納税義務が生じたもの であって,原告が詐害行為であると主張する本件各行為は,いずれも上記 決定通知の前になされたものである。 したがって,本件事業所税に係る租税債権を詐害行為取消権の被保全債 権とすることはできない。 イ この点につき原告は,①被保全債権の発生が確実である場合には,詐害 行為以前の時点で被保全債権の存在を要しない,②本件の租税債権につい ても,詐害行為の時点で発生につき高度の蓋然性があったなどと主張する。 しかし,上記①については,取引安全の見地からすれば,そのような拡 大解釈は認められるべきではない。また,上記②については,平成28年 10月4日の決定通知より前の時点では,処分庁である原告において,納 税義務者をAではなく株式会社H(以下「H」という。)であると判断す る可能性も十分にあったし,Aがどの時点・対象の事業所につき事業所税 を支払うべきかすら確定しておらず,給付の内容が未確定でもあったので あるから,原告の主張するような蓋然性があったとはいえない。 (2) 争点(2)(本件各行為の詐害性の有無)について (原告の主張) ア Aは,本件信託契約当時,事業所税債権の発生により債務超過となるこ とが明白で,他にめぼしい不動産等の資産もなかったのであって,本件信 託契約により無資力の
主文(判決文より)
1 合同会社Aが被告B及び被告Cとの間でした,別紙物件目録記載の不動産に 係る平成28年9月28日付け不動産管理処分信託契約上の委託者の地位の移 転に係る契約を取り消す。 2 被告Dは,前項の不動産について,札幌法務局a出張所平成28年11月8 日受付第●●●●●号をもってなされた委託者変更登記の抹消登記手続をせよ。 3 合同会社Aが被告B及び被告Cとの間でした,別紙物件目録記載の不動産に 係る平成28年9月28日付け不動産管理処分委託契約上の受益権の譲渡契約 を取り消す。 4 被告Dは,前項の不動産について,札幌法務局a出張所平成28年10月1 4日受付第▲▲▲▲▲号をもってなされた受益者変更登記の抹消登記手続をせ よ。 5 合同会社Aが被告Dとの間でした別紙物件目録記載の不動産に係る平成28 年9月8日付け不動産管理処分信託契約を取り消す。 6 被告Dは,前項の不動産について,札幌法務局a出張所平成28年9月30 日受付第■■■■■号をもってなされた所有権移転登記及び信託登記の各抹消 登記手続をせよ。 7 訴訟費用は被告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。