保護責任者遺棄致死被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号令和1(わ)525
判決日2020-11-20
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点等
1 証拠によれば,①被告人は,平成28年12月3日,Bを出産し,以後,B
を育てていたところ,平成31年2月の頭頃,本件居室に転居し,同月14日から,
24時間制の保育園と月契約を結び,自身が出勤する際には,Bを保育園に預ける
ようになったこと,②被告人は,遅くとも4月からCが本件居室に同居し始めたと
ころ,Cに頼んでBの食事等の世話も一部してもらっていたこと,4月23日から
翌24日までBを保育園に預けたのを最後に,Bを保育園に預けることはなくなり,
5月15日から6月5日までの間は,自らは出勤したり,Cと共に外出したりする
一方,Bを本件居室から外に連れ出さなかったこと,③6月5日午前4時59分頃,
被告人が119番通報をし,同日午前5時7分頃に救急隊が本件居室に臨場した時
点では,Bの呼吸等が確認できない状態にあり,その後,気管挿管や心臓マッサー
ジ等の蘇生措置が施されたものの,同日午前5時40分に搬送先のD病院でBの死
亡が確認されたことが,優に認められる。
2 本件では,①遅くとも5月31日頃までに,Bが,生存のために必要な食事
を与えられ,生存のために必要な医師による治療等の医療措置を受ける,という特
定の保護を必要とする状況(以下「要保護状況」という。)にあったにもかかわらず,
その後これらの保護を受けられずに衰弱死したと認められるか,②被告人において,
遅くとも5月31日頃までに,Bが要保護状況にあったことを認識しながら,Cと
一緒になってその保護を与えなかったと認められるか,が中心的に争われたので,
これらに即して,判示事実を認定した理由を補足して説明する。
第2 遅くとも5月31日頃までに,Bが要保護状況にあったにもかかわらず,
その後これらの保護を受けられずに衰弱死したと認められるかについて
1 Bの死因及び死に至る経過について
⑴ Bの死因等に関するE医師の見解
E医師は,Bの死因について,頭部や脳にそれ自体で致命傷となるような出血や
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病変はなく,死亡の直接の原因となるような特定の臓器の病変等も見当たらなかっ
たとした上で,体重が減少して低栄養状態になり,循環器系,中枢神経系,消化器
系の機能が低下するとともに,体内で熱を十分に産生することができずに低体温症
となるなど,全身の様々な諸臓器の生命維持に必要な機能が低下した状態(E医師
はこれを「多臓器不全」と呼ぶ。)を伴った衰弱状態に陥り,最終的には心停止によ
り死亡したのであり,かつ,窒息死の可能性を始めとする他の死因は否定されるの
であって,死因は低栄養による衰弱死であると結論付けている。
そして,E医師は,死因の判断に当たり,①㋐司法解剖時のBの身長,体重,腹
囲,腕の細さ等から,同人は死亡した時点で元々あった体重が著しく減少した低栄
養状態にあったと認

主文(判決文より)

被告人を懲役9年に処する。
未決勾留日数中300日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。