行政文書一部不開示処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号平成30(行ウ)8
判決日2021-01-26
分類行政
判決種別決定

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は次のとおりである。
⑴ 本件不開示部分に記録された情報の不開示情報該当性(法5条1号)
ア 本件不開示部分に記録された情報が,法5条1号前段の「個人に関する情
報(中略)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等(中
略)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合するこ
とにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」(以
下「個人識別情報」という。)に該当するか否か
イ 本件不開示部分に記録された情報が,同号後段の「特定の個人を識別する
ことはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそ
れがあるもの」(以下「個人権利利益侵害情報」という。)に該当するか否か
⑵ 本件不開示部分に係る部分開示(法6条2項)の可否
ア 本件不開示部分に記録された情報に含まれる各項目の記載が,法6条2項
のいう「特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分」(以
下「個人識別部分」という。)に該当するか否か
イ 本件不開示部分に記録された情報に含まれる各項目について,個人識別部
分に当たるものを除くことにより,同項の「公にしても,個人の権利利益が
害されるおそれ」(以下「個人権利利益侵害可能性」という。)がないといえ
るか否か
5 当事者の主張
⑴ 不開示情報該当性(法5条1号)について(争点⑴)
ア 個人識別情報該当性(争点⑴ア)
(被告の主張)
法5条1号は,「個人に関する情報(中略)であって,当該情報に含まれ
る氏名,生年月日その他の記述等(中略)により特定の個人を識別するこ
とができるもの」(個人識別情報)を不開示情報として定めている。同規定
の文言に照らせば,当該情報に係る個人を識別させることとなる氏名その
他の記述等の部分のみならず,氏名その他の記述等により識別される特定
の個人に関する情報の全体が個人識別情報に当たることになる。すなわち,
個人を識別し得る記述等以外の記述等も,個人識別情報に含まれ,不開示
とされるのである。
本件不開示部分に記録されている事項は,いずれも自殺した自衛隊員の
個人に関する情報であるところ,本件対象文書には,表形式で,1行につ
き1人の自殺した自衛隊員に係る情報が項目ごとに区分されて記録され
ており,そのうちの一項目として自殺者の氏名が記載されている。そのた
め,1行に記載された自殺した自衛隊員に関する情報が,全体として,氏
名の記載により個人を識別することができる情報に当たることとなり,個
人識別情報として不開示となる。
したがって,本件不開示部分に記録された情報は,いずれも法5条1号
前段の個人識別情報に当たる。
仮に,本件不開示部分が,直ちに「特定の個人を識別することができる」
個人に関する情報に当たらないとしても,次の理由により,「特定の個人

主文(判決文より)

1 防衛大臣が,原告に対し,平成29年10月6日付けでした行政文書の一部不
開示決定処分のうち,別紙2対象文書目録記載の本件対象文書1ないし16の各
文書に含まれる「曜日」,「学歴」,「手段」,「方法」,「時間」,「入隊後年」,「出身」,
「既,未婚」,「妻」,「海外派遣」,「営内外」,「家族」,「単身赴任」,「単身」,「単
身期間」,「連鎖性」,「新職務」,「偏差値」,「段階点」,「型」,「傾向」,「Y-G」,
「備考」(ただし,このうち本件対象文書2ないし5に含まれるものを除く。),
「備考(遺書)」の各項目について記載した部分を不開示とした部分を取り消す。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを二分し,その一を原告の負担とし,その余を被告の負担と
する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。