損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号令和1(ワ)1691
判決日2021-01-28
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに対する当事者の主張
(1) 被告の従業員による暴言等の有無
(原告の主張)
Aは,平成28年4月の入社時から同年9月までの間,先輩従業員から,①
業務中に,「仕事ができないんだったら早く辞めればいい」,「死ねばいいのに」,
「明日から来なくてもいい」及び「お前には才能がないから仕事をしなくても
いい」などの暴言を日常的に受けていたほか,②適切な業務指導を伴わないま
ま,「仕事が遅い」,「早くやれ」及び「あと何分かかるのか」などの指導の範囲
を超える叱責を受けていた。また,Aが,1回目の失踪後,被告の業務に復帰
した当初こそ暴言は収まっていたが,復帰から1か月が経過した頃から,「早
く死んだらいいのに」,「お前は逃げ場所があっていいな」という暴言を受ける
ようになった。これらの暴言や叱責は,主としてI及びHが行っていたもので
あって,他の先輩従業員もI及びHの暴言等があれば,興に乗ったように暴言
等を述べることがあった。これらの先輩従業員による暴言や指導の範囲を超え
る叱責はパワーハラスメントと評価すべきである。
(被告の主張)
原告は,被告の従業員によるAに対する暴言や叱責について,具体的にいつ,
どこで,誰に対してされたのかを明らかにしないのであるから,主張の特定と
して不十分である。
Aは,エンジニアとしての基礎的な作業について多くのミスを繰り返すなど
技術の習熟が遅く,報告・連絡・相談等を含む同僚らとのコミュニケーション
も極めて不足しており,被告の従業員は,Aの成長や顧客の安全を守るために
繰り返し注意するなどの指導をしてきた。これらの指導は,労働施策の総合的
な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づ
く厚生労働省の告示に照らしても,パワーハラスメントに当たらないことは明
らかである。
また,被告の従業員が,Aに対して,「死ねばいい」や「辞めればいい」など
の指導の範囲を超えて人格を否定するような発言をしたとの事実はない。
(2) 過大なノルマの要求の有無
(原告の主張)
D支店では,エンジニアである従業員に対し,自動車任意保険,クレジット
カード及び携帯電話等の契約獲得本数について,ノルマを課していた。そして,
エンジニアは,通常自動車整備工場で勤務しており,顧客と接する機会はほぼ
ないのであるから,これらのノルマを業務時間中に達成することはおよそ不可
能である。このように,被告が,Aに対しておよそ達成が不可能なノルマを課
していたことは,パワーハラスメントと評価すべきである。
(被告の主張)
被告が,エンジニアに対し,営業活動のノルマを課していたとの事実はない。
携帯電話や保険等の契約獲得については,部門ごとに業務目標が設定されてい
たにすぎず,この目標が達成されなくても,ペナルティが課されるわけではな

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,44万円及びこれに対する平成29年7月18日から支
払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを140分し,その1を被告の負担とし,その余を原告の負
担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。