事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ワ)1235 |
| 判決日 | 2021-02-04 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法13条、憲法24条2項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及びこれに対する当事者の主張 (1) 原告1に対する優生手術及び優生保護法14条1項1号に基づく人工妊娠 中絶手術(優生手術等)の有無(争点1) (原告らの主張) ア 原告1は,昭和52年2月12日,被承継人と婚姻し,昭和56年に妊娠 した。Iは,原告1が知的障害を有していることを理由として出産に強く反 対し,被承継人に対し,原告1に優生手術等を受けさせるための同意書に署 名するように迫った。被承継人は,同意書に署名するまでIがその場から動 こうとしなかったことから,断腸の思いで署名をした。そして,原告1は, 昭和56年6月12日,K病院に連れて行かれて,優生手術等を受けた。 イ 原告1が知的障害を負っていたこと,優生手術を受けるに当たって被承継 人が同意をしたことからすれば,原告1が受けた優生手術は,優生保護法3 条1項に基づいて行われたものである。 また,原告1が知的障害を負っていたこと,被承継人は人工妊娠中絶に同 意したものの,原告1は同意を求められていないことからすれば,原告1が 受けた人工妊娠中絶手術は,原告1が精神薄弱であることを理由として,被 承継人の同意をもって原告1の同意とみなし(優生保護法14条3項),同 条1項1号に基づいて行われたものである。 (被告の主張) ア 原告1が優生手術を受けたことは否認する。原告1が優生手術を受けたこ とを裏付ける客観的な証拠はなく,原告1が優生手術を受けたとする被承継 人の供述も信用できない。 イ 原告1が受けた人工妊娠中絶手術が優生保護法14条1項1号に基づく ものであったかについては知らない。 (2) 国会議員が平成8年まで優生保護法を廃止する措置を講じなかったことの 違法性(争点2) (原告らの主張) ア 優生保護法3条(優生手術)に関する規定の違憲性 (ア) 子を生むか否かは,人としての生き方の根幹に関わる決定であり,子を 産み育てるか否かを自らの自由な意思で決定することは,幸福追求権とし ての自己決定権として憲法13条及び24条によって保障されるととも に,性と生殖に関する権利(リプロダクティブ・ライツ)としても,憲法 13条及び24条によって保障されている。また,憲法24条2項は,子 を持つか否かを含む家族形成権を保障している。優生保護法3条は,医師 の認定による優生手術について,本人の同意を要件としていた。しかし, 優生手術の対象者は,被告から「不良」であるとみなされ,子を出産しな いように不当な働きかけを受ける立場に置かれていたのであるから,自己 決定権が阻害されていた。そうすると,医師の認定による優生手術を定め る同条は,本人の同意が自由な意思決定に基づく真の同意とは評価できな
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。