傷害致死被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号令和4(わ)11
判決日2022-06-23
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は、①被害者の死因となった傷害が被告人の暴行によるものと認めら
れるのか、それとも被害者が自ら階段で転倒落下したという被害者自身の行為によ
る合理的疑いがあるか(暴行の内容及び死亡との因果関係の有無)、及び②被告人
が捜査機関に自己の犯罪事実を申告したといえるか(自首の成否)である。
2 争点①について
⑴ 被害者の負った傷害の内容について、被害者の遺体を解剖したA医師の所見等
によれば、以下の事実を認めることができ、争いもない。
被害者の死亡推定時刻は、解剖が開始された令和3年12月24日午前10時か
ら遡って15時間以上24時間以内である。被害者には、死亡する数時間から半日
程度前に生じたと考えられる主な損傷として、頭部・顔面に、広範囲の皮下出血、
左眼窩部の骨折、右耳介の皮下出血、外傷性くも膜下出血等の傷害があった。特に
左前額部の皮下出血は、皮下組織が挫滅し、皮膚からはがれて、その一帯が空洞化
して、デコルマンと呼ばれる状態になっていた。また、前胸部・右腰部から右側胸
部・左腰部から左側腹部に、左第3・第5・第6・第9ないし第12肋骨骨折、右
第5ないし第12肋骨骨折、右腎破裂、左右の腰椎横突起骨折等の傷害があった。
頭部・顔面・右腰部から右側胸部・左腰部から左側腹部の損傷の程度はいずれも重
傷であり、どれか1つでも生じると死に至る危険があった。被害者は、これら重度
の損傷に基づく外傷性ショックにより死亡した。
⑵ A医師は、被害者の死因となった傷害等がどのように形成されたものかについ
て、以下のとおり証言する。
ア 頭部・顔面の皮下出血は、これらの部位への作用は限局した範囲になるにもか
かわらず出血範囲が広く、出血量が多いことからすれば、比較的平滑な幅の狭い鈍
体による打撃又は強い圧迫(以下「打撃等」という。)が多数回加えられたと考え
られる。特に、左前額部の皮下出血がデコルマンと呼ばれる状態になっていたこと
からすれば、拳やかかとなどの比較的作用面の小さい鈍体による打撃等が何度も繰
り返されたと考えられる。これらの皮下出血が生じた部位に、階段の縁のような角
稜のある鈍体によって生じるような表皮剥奪や挫裂創は認められなかった。
左眼窩部の骨折については、眼球は破裂していないが、眼球の周りの骨が割れて
いることからすれば、目の付近を複数回攻撃されたと考えられる。また、眼窩の周
辺には、額、鼻、頬などの突き出た部分があるから、力を分散させることなく眼窩
に力を加えるには、眼窩に集中して押し込む力を加える必要があり、拳などかなり
幅の狭い鈍体によって形成されたと考えられる。
右耳介の皮下出血は、出血量が多量であったことから、鈍体による多数回にわた
る打撃等があったと考えられる。また、右耳の周辺には皮下出血がなかったことか
ら、右耳に局所的に打撃

主文(判決文より)

被告人を懲役7年に処する。
未決勾留日数中100日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。