事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和2(ワ)2916 |
| 判決日 | 2023-02-03 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 ⑴ 前件和解は、その成立後に発生し得る損害の賠償請求を妨げる趣旨のもの か ⑵ 損害額 3 争点についての当事者の主張 ⑴ 争点⑴(前件和解は、その成立後に発生し得る損害の賠償請求を妨げる趣 旨のものか)について (被告の主張) ア 前件和解は、筑豊じん肺訴訟最高裁判決(国関係、最高裁平成13年 (受)第1760号同16年4月27日第三小法廷判決・民集58巻4号 1032頁)を踏まえて行われたものであり、その和解金額は、筑豊じん 肺訴訟控訴審判決(福岡高裁平成7年(ネ)第643号、同7年(ネ)第 936号、同8年(ネ)第513号同13年7月19日判決)が算定した 基準慰謝料額に基づくものである。そして、筑豊じん肺訴訟控訴審判決に おける基準慰謝料額は、同訴訟における原告らのじん肺に係る病態がその 後に進展してじん肺管理区分が変更され、又は同人らがじん肺死したとし ても、管理区分変更による進展後の病態に係る損害又はじん肺死に係る損 - 4 - 害について更に損害賠償請求することはできないという性質を有する請求 であることを前提として算定されたものである。したがって、前件和解に おいても、前訴における原告らのじん肺に係る病態がその後に進展してじ ん肺管理区分が変更され、又は同人らがじん肺死したとしても、管理区分 変更による進展後の病態に基づく基準慰謝料額又はじん肺死に基づく基準 慰謝料額と前件和解に基づき受領済みの和解金との差額を請求すること (以下「差額請求」という。)はできないとすることが、和解を行った当 事者の合理的な意思である。 イ 本件訴えの提起後である令和3年1月中旬、被告指定代理人が、原告訴 訟代理人に対し、既に亡Aとの間で前件和解が成立し、和解金を支払って いるから、原告の請求は認められない旨を申し入れたところ、同年2月1 7日、原告訴訟代理人が、被告指定代理人に対し、取扱いを弁護団で協議 中であるが、石炭じん肺訴訟においてこれまで差額和解は考えておらず、 原告側のミスで二重提訴してしまった旨を述べた。この経過に照らせば、 亡Aは前件和解において差額請求をしない意思であったというべきである。 ウ 被告は、筑豊じん肺訴訟最高裁判決(国関係)で被告の責任が認められ た被災者らと同様の状況にあった元労働者らについて、上記基準慰謝料額 に相当する損害賠償金の支払を内容とする裁判上の和解を行っており、こ れまでに相当数の裁判上の和解を重ねてきたが、和解後に差額請求をされ たことは本件に至るまでなく、むしろ和解後に差額請求をすることはでき ないことを前提として、和解金が返還されたこともあった。これらの事案 には原告の代理人らも関与しているものがあることから、前記アのとおり、 前件和解に際し、被告と亡Aとの間で、差額請求が認められないとするこ とが前提と
主文(判決文より)
1 被告は、原告に対し、110万円及びこれに対する令和 2年1月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を 支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。