原子炉設置許可処分無効確認等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所 金沢支部
事件番号昭和63(行コ)2
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点訴訟」をいうことについては、判例・学説上全く異論
をみない。そして、訴外動力炉・核燃料開発事業団(以下訴外動燃という)を相手
方とする原子炉施設の建設・運転差止請求訴訟は、本件原子炉設置許可処分の無効
を前提とする争点訴訟ではなく、本件原子炉設置許可処分については、処分の無効
を前提とする現在の法律関係訴訟が存在しない。
本件と同じく、行政処分の名宛人以外の者の原告適格に関する事案で、また別途民
事差止訴訟の提訴が可能な事案として、建築物の隣接建物の居住者に、建築確認処
分の無効確認を求める原告適格があるかという問題があるが、広島高裁昭和五〇年
九月一七日判決・行裁例集二六巻九号九九四頁、東京高裁昭和五九年四月一六日判
決・行裁例集三五巻四号五一七頁は、建築確認処分の対象である建築物の隣接建物
の居住者に原告適格を肯定している。そして、生活環境上の悪影響、火災の危険等
の被害を被るおそれがある者は、建築確認の「無効確認を求める法律上の利益を有
する者」にあたり、それら「危険の排除は、その性質上、当該処分の効力の有無を
前提とする現在の法律関係の訴えによつてその目的を達しえないものと解される」
(右広島高裁判決)と判示している。
控訴人らについては、本件原子炉設置許可処分の無効を前提とする当事者訴訟又は
争点訴訟は考えられないので、本件原子炉設置許可処分の無効確認の訴えは、行訴
法三六条後段の要件も充足する。
(2) 原判決は、民事差止訴訟の方が無効確認訴訟よりも、本件紛争の抜本的解
決のための有効かつ適切な手段という。
しかし、行訴法三六条後段の解釈論としては、そこで比較の対象とされるべき「現
在の法律関係訴訟」は、「当該処分の無効を前提とする訴訟」でなければならず、
この点を抜きにして、「紛争の抜本的解決のための有効かつ適切な手段」か否かを
比較するのは、右条項に反すること明らかである。
しかも、民事差止訴訟の方が有効かつ適切な手段と即断することは誤りであり、無
効確認訴訟の方が紛争解決手段として優れている点もある。即ち、第一に、無効確
認訴訟では、安全審査基準違反という形式的違法で足り、その意味で勝訴のための
最低条件が明示されているから、主張・立証が容易であるのに対し、民事差止訴訟
では、人格権侵害という実質的な違法性の主張・立証が必要であり、第二に、原子
炉設置許可処分において要求されている安全性の程度は、民事差止訴訟を認容する
際に要求される安全性の程度よりも低いといわれており、第三に、無効確認訴訟に
おいては、無効事由として安全審査における手続違反が主張できるのに対し、民事
差止訴訟においては、安全審査の手続違反自体は差止事由とはならず、第四に、民
事差止訴訟においては、被害と加害行為との因果関係、即ち個々の原告らへの個別
的影響までの主張・

出典

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