殺人未遂、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号令和6(わ)505
判決日2025-07-02
分類民事
判決文が挙げた条文刑法203条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は、本件犯行当時、被告人が心神耗弱であったか、心神喪失であっ
たかである。すなわち、検察官は、被告人の正常な部分(自分のすることが悪い
ことかそうでないかを識別し、悪いことをしないように踏みとどまる能力)はな
お作用していたとして心神耗弱を主張するのに対し、弁護人は、被告人の正常な
部分はほとんど作用していなかったとして心神喪失を主張する。
2 丙医師の証言の要旨
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起訴前に被告人の精神鑑定を行った丙医師の証言の要旨は次のとおりである
(なお、丙医師の証言の信用性に疑義はないものの、その鑑定内容は本件審理の
約1年前になされた被告人の供述をもとになされたもので、当公判廷における被
告人の供述とやや異なると見受けられる部分があるほか、プレゼンテーションに
記載された「妄想に支配」とある部分を「妄想に影響された」と言い換えるなど
しているため、丙医師の証言を文字どおりに受け取るのではなく、反対尋問も踏
まえてその真意とするところを慎重に検討した。)。
○ 被告人は、犯行当時、妄想型統合失調症に罹患していた。
○ 被告人が日常生活に支障をきたしていなかったことからすると、妄想型統合
失調症の症状自体は中等度くらいであるが、本件のような重大な犯罪を行っ
たことを考慮すると、犯行当時の妄想型統合失調症は重度であった。
○ 被告人は、妄想型統合失調症による妄想が考えのベースとなって本件犯行を
行ったのであり、幻聴に命令されたわけではない。
○ 被告人は、犯行当時、現実を理解する力が低下し、客観的に判断できない状
態に陥っていたが、現実を正確に認知できなかったわけではない。
○ 犯行当時の被告人は、自己の行為が悪いことだと分かってはいたが、行為の
意味を完全には理解できていなかった。
○ 犯行当時の被告人には、自己の行為を踏みとどまる力はあったが、妄想の力
の方が強かったため、本件犯行に及んだ(その意味で、妄想が踏みとどまる
力を凌駕した。)。
3 当裁判所の判断
本件犯行のベースには、被告人の妄想型統合失調症による妄想があることは明
らかである。しかし、被告人の妄想は、全く現実との接点がないものではなく、
むしろ現実に根差したものであり、また、被告人に指示・命令をするような類の
ものではなかった。
犯行に至る経緯をみても、被告人は、帰宅した際に声を聞いて妄想を抱いたも
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のの、その妄想に取り憑かれていきなり店員を切りつけたのではなく、まずは刃
物をバッグに入れるだけで自己の本気を店員に伝えようと考え、本件コンビニに
再度入店後いったん店内を確認した結果、絶望と怒りを覚えるに至り、ためらい
ながらも自分が餓死するくらいなら店員を3人殺そうと考えるなど、要所要所で
自分なりの判断をして行動に移している。そして、その判断は、たしかに妄想に
端を発

主文(判決文より)

被告人を懲役30年に処する。
未決勾留日数中260日をその刑に算入する。
札幌地方検察庁で保管中の包丁1本(令和7年領第86号符号3-1)、
刃物の柄1点(同号符号4)及びペティナイフ1本(同号符号2-1)を
没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。