事件の基本情報
| 裁判所 | 札幌地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(わ)742 |
| 判決日 | 2025-09-29 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
- 櫻庭 陽向(検察官)/札幌弁護士会
争点(判決文より)
本件の争点 本件の事実関係のうち、被告人が、被告人方において、被害者の頸部付近 に一定の暴行を加え、これによって被害者に頸部圧迫を生じさせて窒息死 させたことは争いがない。本件の主たる争点は、被告人が、殺意をもって、 被害者の頸部を腕等で絞め付けるなどしたか、すなわち加害行為の態様及 び殺意の有無であり、弁護人は傷害致死罪の成立を主張する。 そこで、以下、当裁判所の判断を補足して説明する(なお、以下の日時は 令和6年9月のそれを指す。)。 第2 行為態様について 1 C医師による解剖結果等からの考察 ⑴ 最終的な弁論をみると、弁護人も、C医師が被害者の死体を解剖した 結果に係る捜査報告書及び同医師の公判供述のうち、被害者には頸部 の前部に幅の広い皮下出血やこれに対応する筋肉内出血があった上、 左右の甲状軟骨上角がいずれも完全に折れて断裂し、顔にもやや弱い うっ血及び溢血点があったこと、これらの状況からして、被害者が、索 状物ではない、表面が比較的平滑で幅広く、かつ剛質ではない鈍体によ って、頸部(上記皮下出血が生じている部分)をその前方から後方へ少 なくとも二、三分間にわたり圧迫されたことは争っておらず、この点に 関するC医師の上記供述等が専門的知見に基づくものとして信用でき ることは明らかである(なお、被害者は、本件当時、骨粗しょう症に関 する服薬をしていたことが否定できないが、C医師によれば、被害者の 死体を解剖した限り、特に骨が折れやすいようには見受けられなかっ たというのであるから、甲状軟骨の骨折に要した時間が通常人より大 幅に短いことはなかったと認めてよい。)。 また、C医師は、被害者が4日午前7時56分頃にD巡査らにより発 見された際に脳死状態であったが、後に施されたアドレナリン注射や 心臓マッサージによって一時的に蘇生し、翌5日に死亡したという事 情から、死因となった頸部圧迫が加えられたのは、上記発見から遡るこ と1時間以内である4日午前7時頃以降と推定されると述べており、 この点の供述の信用性にも疑いを入れる余地はない。 ⑵ そこで、前記⑴の事情等から、被告人が被害者の頸部を腕等で絞め付 けたと推認できるかどうかであるが、まず、C医師は、医師としての知 見を交え、仰向けに倒れた人の頸部に上から力を加えた場合には、窒息 させるのに時間が掛かり、抵抗もされやすいので、被告人は被害者の後 ろから固定するように力を加えた、すなわち、後ろから頸部に腕等を回 し、絞め付けて窒息死させた可能性が高いと述べており、その意見は一 般の経験則に照らしても十分合理的といえる。 加えて、被害者は、前記のとおりD巡査らに発見された際、身体を少 しひねりながら上半身をうつ伏せにした状態で倒れていたと認められ、 これに人は失神した後は第三者が動かしでもしない限り通常体勢を
主文(判決文より)
被告人を懲役11年に処する。 未決勾留日数中250日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。