傷害致死被告事件

事件の基本情報

裁判所札幌地方裁判所
事件番号令和7(わ)361
判決日2025-11-17
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は、本件暴行が正当防衛といえるかであり、弁護人は、被告人の
公判供述に依拠し、被告人が被害者による鎮痛剤の過剰服用を止めようとした
行為は正当であり、これに対し被害者は被告人をペットボトルでたたくという
不正の侵害に及んでおり、その後も攻撃を続けてくるおそれがあったから、被
告人は、こうした不正の侵害から自己の身を守るため、やむを得ず本件暴行に
及んだものである、などとして正当防衛が成立すると主張する。
これに対し、検察官は、被告人は公判廷で一部虚偽を述べているとし、被告
人は、本件暴行前に、強度かつ執拗な暴行を加えて被害者を制止しており、被
害者の過剰服薬を止めようとすること自体は正当であるとしても、上記制止行
為は態様において正当・適法とはいえず、これに対して被害者が被告人をペッ
トボトルでたたいたのは防御的反応であって正当な防衛行為である、などとし
て本件暴行に正当防衛は成立しないと主張する。
そこで、当事者の主張に従い、当裁判所の判断を以下補足して説明する。な
お、特段の記載のない限り以下の日時はいずれも令和7年5月のそれをさす。
第2 被告人による制止行為の内容及びその正当性について
1 まず、関係証拠によれば、被害者は、17日午前3時51分頃、同人が意識
を消失していることに被告人が気付いて119番通報したことにより、判示病
院に救急搬送され、19日に判示のとおり死亡したが、20日に行われた死体
解剖の結果、被害者の死体には枕で殴打された頭部以外の身体にも多数の損傷
が認められており、それらが上記救急搬送前に生じていたことが明らかである。
そして、検察官は、前記死体解剖をしたC医師の意見を基礎に、前記損傷の
うち、左肩、左肘及び左手の各皮下出血並びに右肩ないし右上腕の広範囲の皮
下出血及び筋肉内出血のほか、右肋骨6本の亀裂骨折につき、被告人が、本件
当夜、本件暴行前に被害者を制止した際に同人をつかんで引っ張るなどしたこ
とにより生じたものであって、被告人は本件暴行前にも強度かつ執拗な暴行を
加えていたと主張する。
2 この点に関する被告人の公判供述は、要旨以下のとおりである。
被害者は、令和5年頃から鎮痛剤を用量を超えて服用するようになり、当初
こそ私の忠告に従っていたが、令和6年頃からはこれを聞かずに勝手に服用す
るようになった。そのため、私は、次第に被害者の前に立ち塞がり、同人の肩
口を手でつかんだり押さえたりするなどして制止するようになっていき、本件
の1週間前頃からは、このような制止行為が連日続いていた。
被害者は、16日午前7時30分頃から17日午前0時40分頃までの間に
断続的に鎮痛剤を計5錠服用したにもかかわらず、同日午前1時頃にも同剤を
1錠服用した。私は、このような様子を見て被害者に口頭で注意し始めたが、
そのわずか約

主文(判決文より)

被告人を懲役3年に処する。
未決勾留日数中60日をその刑に算入する。
この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。