再入国不許可処分取消等請求事件

事件の基本情報

裁判所福岡地方裁判所
事件番号昭和61(行ウ)15
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

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争点(判決文より)

争点となり、審理がされている。それに重ねて確認
の訴えを認めることは、いわば二重起訴禁止の原則に抵触するものというべきであ
る。
2 本件確認の訴えによつて解決すべき紛争の成熟性が認められない。
原告は、昭和六一年八月一四日に本邦から出国し、昭和六三年六月二八日、再び本
邦に入国し、現に在留資格を与えられており、退去強制の不利益を課せられている
わけでもない。しかも、そのような不利益を課せられてから事後的に協定永住資格
の有無の存否を争つたのでは回復しがたい重大な損害を蒙る惧れがあるなど事前の
救済を認めないことを著しく不相当とする特段の事情も認められない。
三 (国家賠償を求める訴え)
行政処分取消訴訟に行政事件訴訟法第一六条に基づき国家賠償請求を関連請求とし
て併合提起するには、行政処分取消訴訟の適法性が要件となると解すべきである。
本件処分の取消しを求める訴えが不適法である以上、関連請求である国家賠償を求
める訴えも、不適法である。
第三 被告らの本案前の主張に対する原告の反論・主張
一 (本件処分取消訴訟の訴えの利益)
1 (協定永住資格の存続)
原告の出入国は、国際人権規約B規約第一二条第四項によつて保障された権利の行
使である。従つて、原告は、出国によつて協定永住資格を失つていない。
本件処分は、例外的にこれを制限するものである。従つて、本件処分が取り消され
れば、原告の永住意思の表明と国家によるその確認の事実だけが残ることとなつ
て、原告の権利行使の適法性が確認され、そのことによつて原告の協定永住資格の
維持も確認されることとなる。被告法務大臣は、本件処分が取り消されると、協定
永住資格回復措置をとるべき法的拘束を受ける。原告にとつて回復すべき法律上の
利益がある。
2 (原告の不利益の重大性)
外国人の在留は、本来、一時的なものであつて、在留目的(活動内容)や在留期間
(三年以下。但し、裁量による更新制度がある。)が限定されており、入国時の申
請に対し個別的事情により裁量的に許可されるものであるが、協定永住資格者の場
合は、目的・期間に制限がなく、歴史的な事情によつて発生した定住という先行事
実に対して確認的に協定永住資格が認められたものであつて、日本国の帰責性によ
り特に厚く保護されているものである。日本国籍を有しないとの点から、外国人の
在留という形式をとるが、その実質は、一時的な滞在者としての在留とは質的に異
なり、社会の構成員としての地位を認められているのである。
ところが、原告は、現在、被告法務大臣の本件処分があることによつて、本件処分
に抗して出国したものとされ、それ故に、その効果として、従前の日本国における
法的地位を喪失したものと取り扱われている。原告の外国人登録は閉鎖されてお
り、日本国と無関係になつた者として、一切の法的諸

主文(判決文より)

一 原告の被告法務大臣に対する訴えを却下する。
二 原告の被告国に対する各請求をいずれも棄却する。
三 訴訟費用は原告の負担とする。
○ 事実
(当事者の求めた裁判)
第一 原告の請求の趣旨
「原告の昭和六一年五月三〇日付再入国許可申請に対し、被告法務大臣が同年六月
二四日付をもつてなした再入国不許可処分(以下『本件処分』という。)を取り消
す。原告と被告国との間において、原告が『日本国に居住する大韓民国国民の法的
地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定』(昭和四〇年条約第二八
号。以下『日韓地位協定』という。)及び『日本国に居住する大韓民国国民の法的
地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別
法』(昭和四〇年法律第一四六号。以下『出入国管理特別法』という。)に基づく
日本国における永住資格(日韓地位協定・出入国管理特別法に基づく永住許可を
『協定永住許可』といい、この許可を受けた在留資格としての永住資格を『協定永
住資格』という。以下同じ。)を有することを確認する。被告国は、原告に対し、
金一〇〇万円及びこれに対する昭和六一年六月二四日から支払済に至るまで年五分
の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告らの負担とする。」との判決及び給付
部分につき仮執行の宣言
第二 請求の趣旨に対する被告らの答弁
一 本案前として「本件各訴えを却下する。訴訟費用は原告の負担とする。」との
判決
二 本案につき「原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告の負担とす
る。」との判決及び給付部分につき仮執行免脱の宣言
(当事者の主張)
第一 請求の原因
一 (原告の地位・経歴)
1 原告は、昭和三四年一二月一日、大阪市<地名略>において、父A・母Bの長
女として出生した。父方から見て在日二世、母方から見て在日三世の韓国人であ
る。
2 原告は、出生以来、日本国に居住しており、昭和四四年一〇月一日、協定永住
許可(許可番号第一二五六九四号)を受けた。
3 原告は、C小学校・D中学校・同高等学校を卒業後、昭和五四年E大学音楽学
部器楽科(ピアノ専攻)に入学、同大学卒業後、同大学大学院修士課程音楽研究科
器楽科(ピアノ専攻)に進み、昭和六〇年卒業した。
4 原告は、右大学院在学中、米国インデイアナ州のF大学大学院のG教授(国際
ピアノ・コンクールの審査員を勤める国際的ピアニスト)の知遇を得、指導を受け
ることになり、昭和六一年五月、同大学大学院音楽研究科(ピアノ専攻)の入学許
可を得た。
二 (本件処分)
原告は、昭和六一年五月三〇日、福岡入国管理局小倉港出張所において、被告法務
大臣に対し、出入国管理特別法第七条、出入国管理及び難民認定法(以下「入管
法」という。)第二六条第一項に基づき、右大学留学を目的として再入国許可申請
をした。
被告法務大臣は、右申請に対し、昭和六一年六月二四日付で本件処分をし、原告に
通知した。
三 (本件処分の違法性)
1 本件処分は、原告が昭和五六年一月九日に外国人登録法(昭和六二年法律第一
〇二号による改正前のもの。以下「外登法」といい、改正後のものを「外登法改正
法」という。)第一四条第一項所定の指紋押捺(以下、単に「指紋押捺」というと
きは、同条所定のものをいう。)を拒否したことを

出典

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