事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(わ)599 |
| 判決日 | 2010-06-29 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件製造物が爆発物取締罰則3条にいう「爆発物」 に該当するかどうかであるが,具体的には,①理化学上の爆発現象を生じうる物体 かどうか,②爆発作用自体による破壊力が,人の身体財産を害するに足りる威力を 有するものかどうかが問題となる。 2 当裁判所の判断 当裁判所は,本件製造物は,①理化学上の爆発現象を生じうる物体であるといえ るものの,②爆発作用自体による破壊力は,人の身体財産を害するに足りる威力を 有するものとはいえない,したがって爆発物取締罰則3条にいう「爆発物」に該当 するとはいえないと判断した。 その理由は,以下のとおりである。 本件製造物の概要 本件製造物は,硝酸カリウム,硫黄及び竹炭粉末を混合して製造した黒色火薬約 20.5グラムを,容量約17ミリリットルのガラス瓶に,長さ約2センチメート ルの釘52本,長さ約1.9センチメートルのねじ19本及び爆竹3本と共に充て んし,ガラス瓶の金属製のねじ蓋にキリで穴を開けて,その穴から爆竹の導火線を 外に出して蓋を閉め,これにニクロム線,アルカリ乾電池,リード線,磁石2個及 - 2 - び「PULL」と表示した紙片を貼付した透明シート等からなる起爆装置を装置し たものである。 そして,本件製造物は,B5サイズの封筒内部に,粘着テープで貼り付け固定さ れ,いわば郵便物爆弾とでもいう形態にされたものである。 鑑定(再現製造物の機能実験)結果 鑑定では,本件製造物と同メーカーの同種商品である硝酸カリウム,硫黄,竹炭 粉末,釘,ねじ,ガラス瓶及び封筒を準備し,瓶内に充てんする爆竹も準備した上, 本件製造物のガラス瓶の蓋の穴開けに使用されたドライバーセットのキリを用いる などして,本件製造物を再現製造し,さらに本件製造物を封筒内に固定した粘着テ ープと同種と考えられる粘着テープを用いて,粘着テープの大きさや貼り方に至る まで,本件製造物とそれが封筒内に固定された状態を可能なかぎり再現した2個の 再現製造物を使用して,2回の爆発実験が行われた。 その実験では,1辺約30センチメートルの正方形のベニヤ板の上に再現製造物 を置き,その四方を幅約45センチメートル,高さ約90センチメートル,厚さ約 5.5ミリメートルのベニヤ板で囲んだ中で着火させた。2回の実験いずれでも, 着火後,しばらくして封筒の開封口側からガラス瓶の蓋の穴から導火線または黒色 火薬の燃焼が吹き出したと判断される火花ないし火炎が飛び出し,その直後,爆発 音とともに開封口側から火炎が吹き出し,封筒が一気に開封口側と逆方向に移動し た。その後激しい火炎が上がりガラス瓶内に残留していた黒色火薬が燃焼した。実 験後の状況は,ガラス瓶の頭部部分が割れ,蓋,ガラス片,釘が飛散し(2回目の 実験では,動画で蓋が飛翔する様子が確認された。),蓋に変形
主文(判決文より)
被告人を懲役2年に処する。 この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 福岡県A警察署で保管中の黒色火薬1袋(福岡地方検察庁平成2 1年領第1493号の符号50−3)を没収する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。