損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所福岡地方裁判所
事件番号平成23(ワ)3302
判決日2013-07-05
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
 本件手すりの欠陥
(原告の主張)
ア 通常の用法との関係
本件手すりがホームセンター等で販売される一般消費者向けの
商品であること,設置方向については小さな文字で「横付け専用
です」という表示があるものの,横付け以外の場合に何らかの危
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険があることを読み取りうる記載はないこと,一般に設置の向き
が縦方向か横方向かによって強度に大きな差違があるとは認識さ
れていないこと等を考慮すれば,本件手すりを縦付けして使用す
ることも合理的に予見される使用形態であるから,通常の用法に
含まれる。
本件事故は,原告が本件手すりを通常の用法に従って使用した
にもかかわらず,本件ブラケットが破損したのであるから,欠陥
の原因や科学的機序が不明であっても,欠陥の存在は肯定される。
もっとも,念のため,推測しうる欠陥原因を挙げると以下のと
おりである。
イ 設計上の欠陥
本件ブラケットは,破損箇所の厚みが最も薄い箇所でわずか約
0.9ミリメートルしかなく,他社類似品や本件事故後に被告が
製造するようになった改良品と比較しても突出して薄く,十分な
耐荷重性能を有するように設計されておらず,使用中に破損する
危険性があり,手すりを固定する部品として通常有すべき安全性
を欠く設計上の欠陥がある。
ウ 製造上の欠陥
本件ブラケットには,十分な耐荷重性能を有する厚みがなく,
不純物を多く含み,使用中に破損する危険性があり,手すりを固
定する部品として通常有すべき安全性を欠く製造上の欠陥があ
る。
本件ブラケットは亜鉛合金ダイカストによる金属鋳造品であ
る。亜鉛合金ダイカストは,不純物(鉛,すず,カドミウム等)
がJISH5301の化学成分規格を超えると,致命的な粒間腐
食を生ずる。亜鉛合金の粒間腐食による変形・崩壊は製造から数
か月から数年後に生ずることが通常である。本件ブラケットの化
学組成は,不純物である鉛,すずがJISH5301の基準を大
きく超えており,他方,粒間腐食を抑制する目的で添加されるマ
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グネシウムは同基準を大きく下回っている。したがって,本件ブ
ラケットは,通常有すべき品質を欠いており,粒間腐食による破
損を起こしやすい状態にあったことは明らかである。
また,被告の提出する強度試験によっても,取付方向如何によ
り,手すりの強度に著明な相違はなく,動作補助手すり(縦付け
され,動作時に握ることにより身体がよろけるのを防ぐ手すり)
の要求強度は,歩行補助手すり(横付けされ,歩行時に体重を預
けながらの移動を可能にする手すり)の要求強度よりも低く設定
されているから,本件手すりが横付け手すりとして十分な強度を
有していたとすると,それほどの強度を要しない縦付け方向で取
り付けたことによって破断が誘発されるはずはない。
エ 指示・警告上の欠陥
仮に

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,908万8785円及びこれに対する平成
21年11月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を
支払え。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,これを10分し,その7を原告の負担とし,その余
を被告の負担とする。
4 この判決は,1項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。