損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所福岡地方裁判所
事件番号平成22(ワ)709
判決日2013-11-01
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
(1) 検査義務違反の過失(①Dが大腸癌で死亡したことに関して)
ア 原告らの主張
(ア) 平成20年1月30日以降の過失
Dには,平成20年1月18日時点で,貧血症状,便通異常,便潜血
が継続的に生じており,被告クリニックの医師は,消化管の出血を疑い,
F病院に精査を依頼した。これに対し,F病院は,下部消化管への内視
鏡検査が下剤不十分のため左側結腸までしか観察できなかったと回答し
た。
このように,被告クリニックの医師は,Dの各症状から消化管の異常
を疑って精査を依頼したにもかかわらず,F病院において左側結腸まで
しか検査できていないのだから,被告クリニックの医師には,Dが同月
30日にF病院を退院して以降,F病院やその他高次医療機関に対し,
大腸全体について十分な検査をするよう要請すべき義務があった。
それにもかかわらず,被告クリニックの医師は,F病院の不十分な検
査結果をそのまま受け入れ,平成20年1月30日以降,Dに対し,必
要な検査,処置をしなかった。
(イ) 平成20年7月3日以降の過失
a 被告クリニックの医師は,平成20年7月3日の時点で,Dの大
腸癌を疑っていたのだから,早急にCEA検査等の腫瘍マーカー検
査や腹部エコー検査を実施すべき義務があった。
それにもかかわらず,被告クリニックの医師は,大腸癌を発見する
ための検査を放棄した。
なお,被告は,上記検査をしなかった理由として,F病院が家族と
相談した結果精査は行わないと判断したことをあげる。しかし,F病
院は,今後の継続加療を何卒よろしくお願いしますと被告クリニック
の医師に伝えて,がん検査の実施を含めた継続的な加療を指示したの
であるから,被告クリニックの医師の上記義務は否定されない。
b また,E医師は,平成20年7月3日,原告らと相談の上で,D
に対し,今後CEA検査及び腹部エコー検査を実施することを決め
た以上,被告は,Dに対し,これらの検査を実施すべき診療契約上
の義務を負っていた。
しかし,被告クリニックの医師は,これらの検査を実施していない
のであるから,被告は,診療契約上の義務に違反したことにより,D
に対し,債務不履行責任を負う。
イ 被告の主張
(ア) 平成20年1月30日以降の過失
被告クリニックの医師は,消化管精査を依頼した高次医療機関である

主文(判決文より)

1 被告は,原告Aに対し,100万円及びこれに対する平成22年3月
5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告Bに対し,50万円及びこれに対する平成22年3月5
日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は,原告Cに対し,50万円及びこれに対する平成22年3月5
日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,甲事件・乙事件ともに,これを10分し,その1を被告
の,その余を原告らの負担とする。
6 この判決は,1項から3項までに限り仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。