事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(ワ)2717 |
| 判決日 | 2016-09-12 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張 本件事故についての被告の安全配慮義務違反又は不法行為の成否 ア 原告ら 被告は,地方自治体の指定・認可を受けた高齢者の介護事業者として, 本件契約に基づき,Fに対し,Fの自宅前にある階段を昇段しようとする に際し,その生命,身体の安全を確保するため,同人の転倒及び転落を防 止すべく,その身体を支え,介助する高度の義務を負っていた。また,本 件事故当時,Fは,高齢で歩行に介助が必要であった上,Fの自宅前の階 段の手すりが雨で滑りやすくなっていた。Fは,当時,歩行中にいつ転倒 してもおかしくなく,腕の筋力も衰えていたため,階段において常時支え が必要であったが,被告は,このことを認識し,又は十分に認識すること ができ,雨天の場合などには二人体制でFを送迎することもあった。 したがって,被告は,Fが自宅前の階段を上るに当たり,介助者二人体 制をとり,又は一人体制であってもレインコートを利用して両手で介助で きるようにするなどした上,濡れている手すりを拭きあげ,Fの真後ろに 立ち,その体を受け止められる体勢をとり,手を離さずに体幹を常時支え るなどして,Fの転倒を防止する措置をとるべき義務があった。 ところが,H職員は,一人でFの介助に当たり,Fの右後ろから左手で 傘を差しながら,右手でFの右肘部分を支え,Fが階段の2段目に到達し たところ,階段の1段目において,「杖は止めて,手すりだけで上がりま しょう。」と言って,Fが右手に持っていた4点杖(着地部分に4本の支 柱がある杖)の使用を中止させ,Fが右手を手すりに伸ばしてつかもうと していたところ,Fの手元及び足元に注意を払うことなく,Fが両手で手 すりをつかむ前に4点杖をつかむためにFの右肘部分から右手を急に離 し,Fの身体を不安定な状態にしたことから,Fは支えを失ってバランス を崩し,臀部から階下に転落して本件事故が発生した。 したがって,被告には,本件契約上の安全配慮義務違反があり,過失に よる不法行為が成立する。 Fの自宅に階段があることは本件契約の前提であり,これにより被告が 免責されるものではない。 イ 被告 Fは手すりを両手でつかんで自力で階段を上る能力があるところ,H職 員は,本件事故前にFを自宅に送迎する際,Fに4点杖を使って路上から 1,2段階段を上ってもらい,4点杖を外して両手で階段の手すりを持っ てもらって,自分で一段ずつ石段を上がってもらっていたが,事故が発生 することはなかった。 本件事故の当日も,H職員は,従前と同様に,Fのやや右後方に位置し, Fの右腰辺りに右手を添えて軽く支え,階段を上ってもらっていた。とこ ろが,Fが4点杖を離して両手で階段の手すりをつかむ状態になった際, 4点杖がH職員の前に置かれたので,H職員は,進行の邪魔になる4点杖 をよける
主文(判決文より)
1 被告は,原告Aに対し,271万6962円及びこれに対する平成25年1 2月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告B,原告C,原告D及び原告Eそれぞれに対し,271万69 62円及びこれに対する平成27年9月13日から支払済みまで年5分の割 合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,これを5分し,その4を原告らの負担とし,その余を被告の負 担とする。 5 この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。