事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(行ウ)60 |
| 判決日 | 2018-06-27 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件自死が本件会社におけるBの業務に起因するものである か否かであり,争点に関する当事者の主張は,次のとおりである。 原告の主張 ア 精神疾患の業務起因性の判断枠組みについて 精神疾患の発病が業務に起因するものであるか否かは,環境由来のスト レス(業務上又は業務以外の心理的負荷)と個体側の反応性,脆弱性(個 体側の要因)を総合考慮し,業務による心理的負荷が,社会通念上客観的 にみて,労働者に精神疾患を発症させる程度に過重であるといえるか否か によって判断すべきであり,労働者災害補償保険が労働者の福祉の増進に 寄与することを制度趣旨とし,また,危険責任の法理に基づく制度である ことからすると,上記の過重性は,同種労働者(職種,職場における地位, 年齢,経験等が類似する者で,業務の軽減措置を受けることなく日常業務 を遂行できる健康状態にあるもの)の中でその性格傾向が最も脆弱である 者(ただし,同種の労働者の性格傾向の多様さとして通常想定される範囲 内の者)を基準として判断すべきである。認定基準は,裁判所の判断を拘 束するものではなく,精神疾患の発病と業務との間の相当因果関係が認め られる場合を限定的に考えるべきではない。 イ Bの担当業務の内容等 Bは,平成23年6月に本件部署に配属される前の3年間,経理業務を 行っておらず,決算業務についてブランクがあったところ,本件部署にお いてBが担当していた業務は,会計業務の中で最も困難で中心的な業務で あり,また,本件自死直前の決算業務は,Bが初めて事実上の責任者とし て行った業務であった上,新しい会計システムの本格稼働後初めての決算 業務であったため,Bは,重大な責任を負いつつ,業務のペース配分の把 握も困難な中,慣れないシステムの下で,締切りの設定されている決算業 務を行っていた。これらの事情に加え,平成23年法律第114号による 法人税法の改正(以下「平成23年法人税法改正」という。)により,平 成24年3月期における貸倒引当金の計上及び貸倒実績率の変更の検討が 必要となったことも考慮すると,Bの業務に伴う心理的負荷の程度は強い ものであった。 ウ Bの労働時間 以下の各事情に照らすと,Bの業務に伴う心理的負荷の程度は,労働時 間数の観点からも過重であった。
主文(判決文より)
1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。