事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(わ)1207 |
| 判決日 | 2018-10-05 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点 本件の争点は,①判示第2の犯行の際,被告人が殺意を有していたか,②判示第 2の犯行の際の被告人の責任能力の程度(心神耗弱の状態にあったか)である。 2 争点①(殺意の有無)について 行為の危険性について 証拠によれば,被告人が地団駄を踏む(強く足踏みをする)形でBの胸や腹を足 裏で踏み付けたことが認められる。生後4か月の乳児を大人が踏みつけること自体, 常識的にみて命の危険を感じさせる行為であるし,証人として出廷したC医師の供 述によれば,Bの死因となった心臓破裂は,少なくとも数秒間,身体の厚さが2分 の1以下になるような強い圧迫がなければ生じないから,被告人の踏み付け行為は 大変強い力によるものであったといえる。被告人も,Bを踏む際には力加減をせず に自己の全体重を掛けたと述べている。そうすると,被告人の行為は,Bを死亡さ せる危険性があるもので,その危険性は極めて高いものであったと認められる。 危険性の認識について Bを死亡させる危険性が極めて高いも のであるところ,被告人は,照明の点いた室内で,Bが足元にいること等の周囲の 状況を十分に分かった上でその行為に及んだことが認められる。また,被告人は, 本件犯行以前にもBの身体を踏み付けたことがあったが,その際には,本件犯行時 の態様とは異なり,腹は危ないと考えて同人の体勢を仰向けからうつ伏せに変えた り,死んだらいけないなどと思って力加減をしたりしていた。こうしたことからす ると,被告人は,自己の行為がBを死亡させる危険性について十分に理解,認識し ていたと認められる。 結論 以上によれば,被告人には,Bが死ぬかもしれないがそれでも構わないという程 度の殺意があったと認められる。 3 争点②(被告人の責任能力の程度)について 捜査段階において精神鑑定を行った医師の説明内容 捜査段階において被告人の精神鑑定を行ったD医師の診断結果についての供述 は,理解することが容易なものではないが,概ね以下のような説明をしたものと理 解される。 ア 被告人の精神障害とその特徴について 被告人は,本件犯行当時,軽度精神遅滞,自閉症スペクトラム障害及び適応障害 の各精神障害を有していた。各精神障害の特徴は,軽度精神遅滞については,精神 年齢が9ないし12歳程度で,学習困難はあるが社会的貢献は可能というもので あり,自閉症スペクトラム障害については,対人関係や他者とのコミュニケーショ ンに関する障害等で,適応障害については,ストレスを受けた際に生じた過剰な反 応をいい,本件に関していえば,基本的には通常人がカッとなったときと同じ状態 であって,周囲の状況が分からないといったことや善悪の判断への影響はない。 イ 被告人の精神障害の程度及び本件犯行への影響について 被告人は,軽度精神遅滞の影響により,ルールや規範につい
主文(判決文より)
被告人を懲役7年に処する。 未決勾留日数中220日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。