事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(わ)1359 |
| 判決日 | 2018-11-02 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,①暴行,脅迫の態様(被告人が,Fに対し,本件けん銃の銃口 を突き付けながら,「取ったぞ。撃つぞ」と叫んだか),②Fから被告人への本 件けん銃の占有移転の有無,③本件けん銃にかかる不法領得の意思の有無,④被 害者らに対する殺意の有無である。 2 争点①について ⑴ Gは,当公判廷において,「被告人がFに背後から襲い掛かった際に右手を ホルスターに当てているのを見て,けん銃を奪おうとしていると確信した。そ の後,Fが倒れ込むのと同時に四つん這いの体勢となった被告人が,『取った ぞ。撃つぞ』と叫び,右手に握ったけん銃を腕ごとFの右腰付近に近づけた」 旨を供述する。 ⑵ Gは,被告人がFに襲い掛かってから本件けん銃を被告人から取り返すまで の一連の出来事について,本件けん銃とFとの間隔や位置関係,現場にいた者 の発言内容も含め,詳細かつ具体的に供述している。被告人がFから本件けん 銃を奪おうとしていると確信したGが,Fから被告人を引き離そうとして,被 告人と密着した状態で,背後から被告人の右腕をつかんでいたことからすれば, Gは,被告人の腕の動作や本件けん銃の向きを意識的に観察した上で,その状 況を正確に記憶していたといえる。また,本件けん銃を右手に握った被告人が 「取ったぞ。撃つぞ」と叫んだというのは,実際の被告人の行動と整合する自 然なものである。さらに,Fも,当公判廷において,「1発目の発砲の前に, 被告人が『撃つぞ』と叫んだ。その他にも何か叫んでいた」旨を供述しており, 少なくとも,被告人が「撃つぞ」と叫んだ点についてはGの供述と合致する供 述をしている。 以上によれば,被告人が,「取ったぞ。撃つぞ」と叫び,本件けん銃をFの 腰部に近づけた旨のGの上記供述は十分に信用できる。 ⑶ 弁護人は,①Hは,被告人が「取ったぞ。撃つぞ」と叫んだのを聞いた記憶 はないと供述している,②被告人及び被害者らが密着してもみ合っている状況 からすれば,被告人が意図せずに右手を動かし,偶然,銃口がFの方に向くこ ともあり得る,として,Gの前記供述には疑問が残る旨を主張する。 しかしながら,①については,Hは,「被告人やけん銃を押さえるのに一生 懸命だった」旨を供述しており,現場の状況を詳細に把握し記憶する余裕がな かったと考えられ,また,Hは被告人が上記の発言をしたことを積極的に否定 しているものでもないから,Hの上記供述によってGの前記供述の信用性は左 右されない。②については,被告人が,本件けん銃がFの腰部に近づく直前に 「取ったぞ。撃つぞ」と叫んだり,被害者らともみ合いになった後も本件けん 銃から手を離すことなく把持し続けたりしたことからすれば,被告人が意識的 に本件けん銃をFに向けて近づけたと認めるのが相当である。弁護人の上記主 張はいずれも採用できない。
主文(判決文より)
被告人を懲役13年に処する。 未決勾留日数中180日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。