事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 小倉支部 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(ワ)305 |
| 判決日 | 2019-03-12 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点についての当事者の主張 - 2 - (1) 本件における争点は,本件請求についての遅延損害金の起算日を肺がん診 断日とすべきか労災認定時とすべきかというにある。 上記争点に関する原告の主張は次の(2),被告の主張は次の(3)のとおりで ある。 (2) 原告の主張 ア 不法行為に基づく損害賠償債務は,損害の発生と同時に何らの催告を要 せず遅滞に陥るところ,被災者が石綿肺,肺がんや中皮腫などの石綿関連 疾患にり患したことによる損害は,これらの疾患を発症したことにより生 じるものである。したがって,損害の発生時点は,被災者がこれらの疾患 を発症した時と解するのが合理的である。そして,疾患発症の有無は医学 的診断によりされることからすれば,これらの疾病についての診断がされ た時をもって,損害の発生及びその賠償債務の遅滞を認めるのが相当であ る。したがって,本件請求についての遅延損害金の起算日は,肺がん診断 日(平成20年9月26日)か,遅くとも肺がんの確定診断日(確定診断 のための生検がされた同年11月7日)とするのが相当である。 イ 最高裁平成26年判決により是認された原審判決(大阪高裁平成25年 12月25日判決(以下「大阪高裁平成25年判決」という。))は,石 綿肺が進行の程度が予測できない特異的な進行性の疾患であり診断が難し いことから,石綿肺にり患した事実やその損害の質はこれらに関する行政 上の決定がなければ通常は認め難いとして,上記アの例外として,石綿肺 にり患した者の損害賠償請求の遅延損害金起算日を,確定診断日に代えて, 行政上の決定(管理区分決定)を受けた時と判断しているが,肺がんにり 患した者については,肺がんり患の事実は通常は医療機関の行う病理検査 により確定的に診断することができることから,上記アに従い,その損害 賠償請求の遅延損害金起算日を肺がんの確定診断日と判断している。この ように被告の和解方針の前提となっている大阪高裁平成25年判決の判断 - 3 - によれば,本件請求についての遅延損害金の起算日は,肺がん診断日か, 遅くとも肺がんの確定診断日となる。 被告は,大阪高裁平成25年判決が肺がんにり患した者につき確定診断 日を遅延損害金起算日と判断したのは,労災保険給付の認定日が証拠上明 らかではなかったためにすぎないし,びまん性胸膜肥厚にり患した者につ いても行政上の決定があった日を遅延損害金の起算日と判断していること からすると,同判決は石綿関連疾患の病名にかかわらず,行政上の決定が あった日を遅延損害金起算日と判断していると指摘する。しかし,同判決 は,上記の肺がんにり患した者について,肺がんの確定診断を受けた組織 診のために手術を受けた平成24年2月2日を遅延損害金起算日と判断し ているところ,仮に同判決が肺がん患者につ
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,1265万円及びこれに対する平成20年9月2 6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は,被告の負担とする。 3 この判決は,第1項に限り,被告にこの判決が送達された日から14日 経過した時から,仮に執行することができる。 ただし,被告が300万円の担保を供するときは,その仮執行を免れる ことができる。
出典
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