損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所福岡地方裁判所
事件番号平成28(ワ)2820
判決日2019-04-16
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
亡Dの業務の過重性及び業務と死亡との間の因果関係
安全配慮義務違反の有無
原告らに生じた損害
過失相殺
4 争点に関する当事者の主張
亡Dの業務の過重性及び業務と死亡との間の因果関係)
(原告らの主張)
亡Dは,被告歯科医院に勤務している間,帰宅するのはほぼ毎日午後
11時を過ぎており,1か月に1日か2日ほど午後10時や午後10時
半に帰宅できる程度であった。また,忙しい週には,午前2時や午前4
時に帰宅することもあった。このように,亡Dは,夜遅くまで業務に従
事し,最後に,被告歯科医院の警備を担当していた綜合警備保障株式会
社(以下「警備会社」という。)の警備システムのスイッチを入れて,
被告歯科医院を施錠して帰宅することが続いていた。土曜日における被
告歯科医院の診療時間は午後0時30分までであったが,亡Dは,その
後も業務を続けて午後5時ないし午後7時頃に帰宅していた。日曜日
は,原則として休日であったが,亡Dは,月に1日あるかないかの頻度
で出勤していた。
警備会社の警備情報をもとに亡Dの勤務時間を試算し,うつ病発症前
の1か月当たりの平均時間外労働時間を求めると,次のとおりとなる。
① 発症前2か月間の平均 151時間41分
② 発症前3か月間の平均 150時間15分
③ 発症前4か月間の平均 127時間28分
④ 発症前5か月間の平均 139時間56分
⑤ 発症前6か月間の平均 145時間31分
これによると,亡Dの死亡前1か月間の時間外労働は145時間を超
えており,死亡前2か月間ないし6か月間における1か月当たりの平均
時間外労働時間も極めて長時間である。
労働基準監督署も,亡Dの長時間労働を認定しているが,その認定に
も十分合理性がある。
被告歯科医院において,亡Dは,技工室における本来の技工の業務の
他に,被告から研磨や義歯の修理を指示されたり器具の出し入れなどの
手伝いを求められたりすることがあるため,診療時間中は技工に集中で
きない。また,被告歯科医院における技工業務についても,歯科技工の
各工程の通常要する時間からすれば,亡Dの技術レベルでは長時間の時
間外労働をしなければ対応できないほどの過重な業務量であった。
亡Dは,死亡する5,6年前からミスが多くなり,業務の処理速度も
遅くなっていたため,被告から厳しく叱責されていた。また,亡Dは,
死亡前日も,翌日までに仕上げることになっていた義歯に誤りがあり,
叱責を受けて診療時間外に業務に従事していた。また,その1週間前に
も,被告から厳しい叱責を受けていた。
亡Dは,数年前から給与を引き下げられ,福岡県における賃金の最低
基準以下の給与しか支払を受けていなかった上,被告の妻から要求され
て300万円の借金をさせられていた。また,被告の妻から運転手のよ
うに扱われて勤務時間内にお

主文(判決文より)

1 被告は,原告Aに対し,2109万2279円及びこれに対する平成2
6年4月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告Bに対し,2109万2279円及びこれに対する平成2
6年4月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,これを5分し,その1を原告らの負担とし,その余を被告
の負担とする。
5 この判決は,第1項及び第2項に限り仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。