著作権法違反

事件の基本情報

裁判所福岡地方裁判所
事件番号令和1(わ)854
分類知的財産

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点である。
2 検討するに,関係証拠によれば,被告人とCは平成27年頃から交際を始め,
本件当時はC方で同棲していたところ,①Cは,Bから依頼され,平成29年3
月からMの更新作業(他のウェブサイトから漫画の画像データをダウンロードし,
これをMにアップロードする作業)を行うようになったこと,②同月14日,被
告人は,CとともにBからMの更新作業について説明を受け,同月22日,Mに
漫画の画像データを初めてアップロードしたこと,③Cは,同年4月以降,Mの
更新作業をAから請け負うこととなり,その旨被告人に伝えたこと,④Cは,A
あるいはBから,漫画雑誌の発売日のなるべく早い時間帯に漫画の画像データを
アップロードするよう要求されており,同じ日に複数の漫画雑誌が発売されると
きや,C自身に外出する用事があるときといった,C一人では更新作業ができな
いときなどには,被告人に更新作業を依頼していたこと,⑤被告人は,Cからの
依頼を受けて,本件各公訴事実記載のアップロードがされた同年5月や,それ以
降にも,Mに漫画の画像データを複数回アップロードしていたこと,⑥Cは,M
の更新作業により得た報酬を,その旨明かした上で被告人に手渡しており,この
報酬は被告人及びCの生活費に充てられていたことが認められる。
以上によれば,被告人は,CとともにBからMの更新作業について説明を受け,
実際に更新作業を行うことで,Mに継続的に漫画の画像データをアップロードす
ることにつき了承したものとみられる上,それ以降も,Cと分担してMの更新作
業を行うことを続け,これによる報酬を自身とCとの生活費に充てていたことに
なる。そうすると,被告人は,Cを含む共犯者らとの間で,Mに漫画の画像デー
タを違法アップロードすることにつき,包括的な共謀を遂げていたと認めるのが
相当であり,本件各公訴事実について,共謀共同正犯としての責任を負う。
(量刑の理由)
被告人らは,漫画雑誌の画像データを著作権者及び出版権者に無断でインターネ
ット上のウェブサイトで公開し,不特定多数の者が無料で閲覧できるようにして,
著作権者及び出版権者に損害を与えている。主要な漫画雑誌の画像データを継続的
にアップロードする中での犯行であり,著作物の収益構造を破壊するという意味に
おいて,著作権等の保護制度を根本から揺るがせかねない悪質な犯行というべきで
あって,厳しい非難に値する。被告人は,本件各犯行の実行行為を行っていない上,
Cからの依頼を受けてMの更新作業を行っていたものであり,従属的な立場で犯行
に関わったといえるが,Cを介して少なくない額の報酬を受け取っている。
以上の犯情に照らせば,被告人の刑事責任には決して軽視し得ないものがあるが,
被告人が,作者や出版社その他関係者に迷惑をかけたと述べて本件を謝罪して

主文(判決文より)

被告人を懲役1年2月及び罰金30万円に処する。
その罰金を完納することができないときは,金5000円を1日に換算
した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判が確定した日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。