事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ワ)1904 |
| 判決日 | 2020-03-17 |
| 分類 | 労働 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 労働契約法18条、労働契約法19条1号、民法90条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及びこれに対する当事者の主張 ⑴ 労働契約終了の合意の有無 (被告の主張) 平成24年改正法により,平成25年4月1日以降,無期転換申込権が認 められることになったため,被告は,平成25年1月,原告を含めた九州支 社の契約社員全員と面談し,今後,有期雇用契約の期間の上限を5年とする こと等を説明し,原告もこれに同意した。そして,被告は,原告との間で, 平成25年4月1日付の契約書(甲1の1)を交わし,その中で「2018 年3月31日以降は契約を更新しない」旨の条項(以下「不更新条項」とい う。)を合意するとともに,それ以降,毎年,同様に不更新条項の合意をし てきており,平成29年4月1日付の契約書(甲5の1)においても,「本 契約の期間は,2017年4月1日から2018年3月31日までとし,本 契約期間以降は契約を更新しない。」という条項を互いに確認の上,その旨 合意していた。したがって,本件雇用契約は,平成30年3月31日,上記 合意に従って終了した。原告が,合意による本件雇用契約終了を認識してい たことは,最後の契約年度中の平成29年5月17日に,転職支援会社に登 録をしていることからも明らかである。 (原告の主張) 原告は,被告から提示された契約書に署名押印をしなければ,本件雇用契 約を更新できない状況に置かれており,不更新条項を含む本件雇用契約の締 結を受け入れざるを得なかった。このような不更新条項への同意の意思表示 は,無期転換申込権を認めた労働契約法18条の趣旨を没却するものであり, 公序良俗(民法90条)に反し無効である。 また,雇用契約書に不更新条項が存在する場合,不更新条項への同意が雇 用契約を更新する条件となっていることが少なくないのであるから,その同 意が労働者の自由な意思に基づくものであるかどうかについて慎重な検討が 必要である。この点,原告は,平成30年4月1日以降も更新があり得る旨 の上司の言葉を確認し,その上で,不更新条項が記載された契約書(甲1の 1,2の1,3の1,4の1及び5の1)に署名したのであり,一貫して平 成30年4月以降も被告との雇用契約を継続する意思を有していたのである から,不更新条項への同意は,原告の自由な意思に基づくものではない。し たがって,不更新条項を含む契約書を交わしたからといって,雇用契約が終 了することはない。 ⑵ 労働契約法19条1号又は2号該当性が認められるか (原告の主張) ア 労働契約法19条1号該当性 原告は,被告に入社以後,1年ごとの有期雇用契約を29回にわたって 更新し,その雇用期間は通算30年間にも上っており,平成25年4月1 日の更新より前は,更新日の前後に,従前と同様の労働契約書を形ばかり 交わすだけであった。 また,原告が担当していた計画管理部における内部統制の整備運用等
主文(判決文より)
1 本件訴えのうち,原告が,被告に対し,⑴本判決確定の日の翌日以降, 毎月25日限り25万円及びこれらに対する各支払日の翌日から支払済 みまで年6分の割合による金員の支払を求める部分,⑵本判決確定の日の 翌日以降,毎年6月25日及び12月25日限り25万円並びにこれらに 対する各支払日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員の支払 を求める部分をいずれも却下する。 2 原告が,被告に対し,雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認 する。 3 被告は,原告に対し,50万円及びうち25万円に対する平成30年4 月26日から,うち25万円に対する同年5月26日から,それぞれ支払 済みまで年6分の割合による金員を支払え。 4 被告は,原告に対し,平成30年6月から本判決確定の日まで毎月25 日限り25万円及びこれらに対する各支払日の翌日から支払済みまで年 6分の割合による金員を支払え。 5 被告は,原告に対し,平成30年6月から本判決確定の日まで毎年6月 25日及び12月25日限り25万円並びにこれらに対する各支払日の 翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 6 訴訟費用は,被告の負担とする。 7 この判決は,第3項ないし第5項に限り,仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。