事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ワ)336 |
| 判決日 | 2022-05-17 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 ⑴ 本件事故に関する被告Aの過失の有無(争点1) ⑵ 被告Aの個人責任の有無(被告法人に対する国賠法1条1項の適用の有無) (争点2) ⑶ 本件事故に関する被告法人固有の過失の有無(争点3) ⑷ 過失相殺の可否(争点4) ⑸ 損害額(争点5) 4 争点に関する当事者の主張 ⑴ 本件事故に関する被告Aの過失の有無(争点1)について (原告らの主張) 被告Aは、本件プログラムの担当教員として、参加学生が安房川で遊泳す れば溺水等の水難事故が発生することを予見し得たのであるから、本件プロ グラムの一環として参加学生を安房川に入水させるに当たり、参加学生に対 し、安房川での遊泳を禁止するか、遊泳を許可するのであれば救命胴衣を準 備して着用させるなどして、参加学生による水難事故を未然に防止し、その 安全を確保すべき義務を負っていたにもかかわらず、安房川での遊泳を禁止 することも、救命胴衣を準備して着用させることもしなかった。 したがって、被告Aには、本件事故の発生につき過失が認められる。 (被告法人の主張) 本件事故の発生につき被告Aに一定の過失があったことは否定しないが、 本件事故現場である安房川河口付近は、本件事故が発生した当時、管理者で ある鹿児島県が遊泳禁止措置を講じていたわけではなかったように、何人に とっても遊泳が危険な場所とまでは認識されておらず、本件当日も遊泳を危 険に感じるような状況ではなかったこと、被告Aは、参加学生に対し、安房 川の危険性についてある程度の説明は行ったこと、本件プログラムの内容に 安房川への入水は含まれていたが、遊泳までは含まれておらず、被告Aは、 参加学生に対し、自由行動の一環として安房川での遊泳を容認していたにと どまり、これを指示ないし強制してはいないことからすると、本件事故に関 する被告Aの過失の程度は必ずしも重大とはいえない。 (被告Aの主張) 被告法人の主張とおおむね同旨であり、被告Aによる本件事故発生の予見 可能性は相対的に低かったというべきである。 もっとも、被告Aが、安房川への入水とその後の自由時間における遊泳と を区別せずにまとめて「泳ぐ」という表現で説明した上、安房川での遊泳を 禁止しなかったことが過失を構成することは否定しない。 ⑵ 被告Aの個人責任の有無(被告法人に対する国賠法1条1項の適用の有無) (争点2)について (原告らの主張) ア 国立大学法人が行う研究・教育活動と私立大学におけるそれとの間に質 的な差異はないこと、そもそも研究・教育活動は非権力的な事実行為その ものであり、国立病院の医師による医療行為と同様に国賠法の適用を受け るべき合理的理由がないことに加え、国立大学法人の職員による研究・教 育活動について国賠法が適用されるとなると、違法行為を行った職員に対 する損害賠償請求が認められ
主文(判決文より)
1 被告国立大学法人九州大学は、原告らそれぞれに対し、3850万1371 円ずつ及びこれに対する平成28年9月6日から支払済みまで年5分の割合に よる金員を支払え。 2 原告らの被告国立大学法人九州大学に対するその余の請求及び被告Aに対す る請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、原告らに生じた費用の2分の1と被告国立大学法人九州大学に 生じた費用については、その合計の5分の1を原告らの負担とし、その余を被 告国立大学法人九州大学の負担とし、原告らに生じたその余の費用と被告Aに 生じた費用については、全て原告らの負担とする。 4 この判決は、第1項及び第3項に限り、仮に執行することができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。