ストーカー行為等の規制等に関する法律違反、殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件

事件の基本情報

裁判所福岡地方裁判所 小倉支部 第2刑事部
事件番号令和3(わ)638
判決日2022-05-26
分類民事
判決種別命令

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点等
判示第2の事実について、被告人が被害者の背部等を判示小刀(以下「本件小刀」
という。)で突き刺したことにより、被害者が死亡したことに争いはない。
その上で、検察官は、被害者の受傷状況から認められる行為態様等によれば、被
告人は人が死ぬ危険性が高い行為をそれと分かって行ったといえ、殺人罪が成立す
ると主張する。これに対し、弁護人は、「頭が真っ白になっていた」等とする(詳
細は後述。)被告人の公判供述に基づき、被告人には刺突行為の大半につき認識が
なく、その危険性も認識していなかったなどとして、殺意があったとは認められず、
傷害致死罪が成立するにとどまると主張する。
よって、本件の主たる争点は殺意の有無である。
2 被害者の受傷状況等による推認
⑴ア 関係証拠(被害者の遺体の解剖を担当した医師Cの証言、甲21等)によ
れば、被害者の受傷状況は以下のとおりであり、弁護人も争わない。
すなわち、被害者の遺体には、少なくとも12回に及ぶ刃物の刺突行為による合
計13か所の刺し傷口がある。5か所の傷口は生命活動が活発な段階で生じており、
被害者は、このうち左肩甲部の傷(肺等を貫通し大動脈に到達。深さ約9.4cm。)
により、数秒以内に多量の出血で意識を失うなどし、ほぼ即死した。
のみならず、上記のうち左鎖骨下部(肋骨、肺等を貫通し心筋に到達。深さ約9.
7cm。)、左外側胸部上部(肺等を貫通し左気管支に到達。深さ約8.1cm。)、
右外側胸部下部(肋骨等を貫通し肝臓に到達。深さ約4.5cm。)の3か所にし
ても、個別にみても受傷後30分以内に死亡し得る程度に致死的なものである。
そして、残りの8か所は被害者の生命活動が低下した後(死亡後の可能性も含む。)
にできた傷口であり、この中には右外側胸部上部(肋骨等を貫通し肺に到達。深さ
約9.8cm。)等の上記同様致死的な傷口5か所や、右上腕部を貫通した2か所
の傷口が含まれる。
以上13か所の傷口は全て直線状で、被害者が抵抗した場合につく防御創も認め
られない。
イ そうすると、被告人は、鋭利な本件小刀を用い、少なくとも被害者の死亡前
後を通じ12回という多数回(死亡までには5回。)にわたり、同人の胴体部を中
心に繰り返し刺突行為に及んだと認められる(被告人が被害者を刺した後、警察官
が臨場するまでの約6分間に、第三者が更に刺突を加えたことを窺わせる事情はな
く、弁護人及び被告人もそうした主張はしていない。)。被告人の行為は、複数箇
所を本件小刀の刃体と同程度以上の深さ、骨を貫通するほどの強さで刺したり、短
時間で致死的な傷を9回にも及び負わせたりするもので、人を死亡させる危険性は
極めて高かったと認められる。
⑵ また、上記の刺し傷の深さや刺突の強さに照らせば、被告人は意識的に力を
込め刺突行為に及んでいたと認めら

主文(判決文より)

被告人を懲役17年に処する。
未決勾留日数中100日をその刑に算入する。
福岡地方検察庁小倉支部で保管中の小刀1本(同支部令和4年領第2
68号符号1-1)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。