事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和3(わ)515 |
| 判決日 | 2022-10-11 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、①判示第1の事実(被告人が判示第1のとおりの暴行により Aに傷害を負わせた事実に争いはない)における被告人の暴行とAの死亡との - 2 - 間の因果関係の有無及び②判示第3の事実における詐欺の故意の有無である。 第2 当裁判所の判断 1 暴行と死亡の因果関係について ⑴ Aの死体を解剖したH医師は、Aの死因について、要旨「死因は、左大腿 部打撲等に基づく外傷性ショックである。Aは、頭部や胸部、背部等の全身 に打撲を負っており、特に左大腿部は、右大腿部より約5㎝太くなるほど多 量の組織液がたまっていた。この組織液の流出により左大腿部の内圧が高ま って循環血液量が不足したことや、左大腿部を始めとする全身の打撲箇所の 筋肉が壊れて有害物質が放出され血液内に入ったことで末梢循環不全が発生 してショック状態を引き起こしたことにより死亡するに至ったと考えられ る。」旨を説明した。また、H医師は、最終的にそのような結論に至った過程 について、要旨「鑑定書作成時は、左大腿部の出血量が少なく、骨化性筋炎 が認められたことから、同部位の損傷の程度が軽く古いものであって、これ を死因と捉えるのは難しいと考え、消去法で気管支肺炎を死因と結論付けた。 しかし、後に別の医師からコンパートメント症候群(骨折等の大きな損傷を 受けた場合や比較的軽微な損傷を繰り返し受けた場合に、患部に組織液がた まって内圧が高まり循環血液量の不足が生じたり、筋肉が壊れることによっ て有害物質が放出されたりすること。)の可能性を指摘され、更に捜査機関か ら被告人がAの患部にアイシング等の処置をしていたことを聞いて、左大腿 部の損傷の程度が軽いという判断が誤りだったことに気付いたため、死因に 係る結論を変更した。Aは、胸膜炎を伴う軽症ではない気管支肺炎を発症し ており、気管支肺炎も同人の死亡に一定程度影響したと考えられるが、死因 といえるほどの大きな病変の広がりはなかった。仮にAが気管支肺炎を発症 していなくても、外傷性ショックのみによって死亡した可能性はある。」旨を 説明している。 H医師は、法医学の専門家として、専門的な知識、経験を有する医師であ - 3 - り、自らAの死体を解剖した上でその所見を述べている。その内容を見ても、 被告人が1か月以上にわたってAの全身に殴る蹴るの暴行を断続的に加えて おり、特に同人の左大腿部に繰り返し暴行を加えていたことや、死亡する数 日前には同人は大小便を漏らしても気付かないことがあったり、前日にはま っすぐ立って歩けないほど足を痛そうにしていたりしたことなど、他の証拠 上認められる事実関係とも整合的であるし、全体的に不合理な点も見当たら ない。そうすると、死因についてのH医師の説明内容は信用できるといえる。 ⑵ これに対し、弁護人は、H医師の説明によっても、
主文(判決文より)
被告人を無期懲役に処する。 未決勾留日数中300日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。