未払賃金等請求事件

事件の基本情報

裁判所福岡地方裁判所
事件番号令和5(ワ)959
判決日2024-04-24
分類労働
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 出張日当が未払残業代に充当されるか
⑵ 本件解雇が無効か
4 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点⑴(出張日当が未払残業代に充当されるか)について
(原告の主張)
ア 賃金は、労働の対価として支払われるものであり、出張日当は賃金に該
当せず、出張日当が未払残業代に充当される余地はない。
イ 仮に出張日当が賃金(固定残業代)に該当するとしても、固定残業代と
して有効と認められるためには、それが時間外労働や深夜労働の趣旨で支
払われることが雇用契約当事者間で合意されていることが必要である。被
告の就業規則上、出張日当は「別途定める旅費規則」により支給されるも
のであり、早出・残業・深夜手当については「役職者は適用外」としてい
る一方で、出張日当は役職者にも支払われるとされており、出張日当が割
増賃金の趣旨で支払われていないことは明らかである。また、給与明細に
も、出張日当の記載はされていない。さらに、出張日当の額は、ゴルフ大
会における個々人の作業時間に応じて定められているわけでもない。した
がって、出張日当は固定残業代に当たらない。
(被告の主張)
ア 被告の事務局員就業規則・附属規則(甲7)8条において、時間外、休
日及び深夜手当の時間単価は次のとおりとする(但し、出張の場合は除く)
と規定され、旅費規則(甲7)8条において、職員の出張に当たっては、
旅費実費及び宿泊費並びに日当(事務局員は自宅から会場まで40㎞未満
2500円、40㎞以上5000円)が支給されることが規定されている。
また、職員がゴルフ大会のために出張した場合、残業が定型的に想定され
るが、大会の規模、場所や期間ないし就業時間は様々であり、厳密な就業
時間の管理を実施することも困難であることから、被告は出張時の残業代
については固定残業代制度を採用し、所定労働時間内の就業であっても出
張日当を定額の固定残業代として支払うことにしたものである。
イ 仮に出張日当が固定残業代として認められないとしても、出張日当の実
質は出張を伴うゴルフ大会時の残業の対価として職員に支払われる金員で
あり、原告は実質的に残業代の支払を得ていて経済的損失は生じていない
から、未払残業代に充当すべきである。
⑵ 争点⑵(本件解雇が無効か)について
(原告の主張)
ア 原告が被告に対して待遇が改善されなければ退職する意向であると伝え
て待遇の改善を求めたことはあるが、確定的に退職の意思表示をしたもの
ではなく、原告と被告との間に退職合意は存在しない(令和4年6月1日
及び同月22日に原告から退職の意思表示をした事実はない。)。被告の主
張を前提としても、原告は令和4年7月1日に退職を翻意し、同月6日に
A局長にメールを送付した後にA局長は解雇を留保したのであるから、そ
れまでの原告の退職に関する言動を本件解雇

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、71万7495円並びに別紙割増賃金計算書の各月の
「未払法内残業代」及び「未払法外等割増賃金」の「合計」欄記載の金額に対
する「賃金支払日」欄記載の日の翌日から各支払済みまで年3%の割合による
金員を支払え。
2 原告は、被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
3 被告は、原告に対し、令和4年10月から本判決確定の日まで、毎月25日
限り、1か月30万5000円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済み
まで年3%の割合による金員を支払え。
4 原告のその余の請求を棄却する。
5 訴訟費用は、被告の負担とする。
6 この判決は、第1項及び第3項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。