事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和6(わ)75 |
| 判決日 | 2024-10-21 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点及び当裁判所の判断 弁護人は、判示第1について、A(以下「被害者」という。)は自殺したと主 張しており、被害者が被告人によって殺害されたと認められるかが本件の争点 である。当裁判所は、被害者は被告人によって殺害されたと判断したため、以 下その理由を補足して説明する。 第2 法医学者の供述の検討 1 前提事実 関係証拠によれば、令和5年10月20日解剖にかかる被害者の遺体につい て、以下の事実が認められる。 (1) 全身は高度に腐敗している。 (2) 前頸部から左右側頸部をやや斜め上方向に向かい後頸部に至る幅約1cm の索痕様の皮膚変色がある。 (3) 輪状軟骨左側に骨折(0.6cmの亀裂)及び同骨折部周囲の軟部組織に出 血がある。 (4) 左右胸鎖乳突筋及び左総頸動脈外膜の軽度の出血様の変化がある。 (5) 頭蓋骨内の右錐体部のうっ血様の変色がある。 (6) 外表の、頸部、頭部、顔面、胸部、腹部、背部、下肢(足)には、腐敗な どによる死後変化は認められるものの、上記(2)以外、明らかな異常は認め られない。 (7) 頸部内は、腐敗などによる死後変化は認められるものの、上記(3)(4)以 外、喉頭、気管及び気管支も粘膜は淡褐色で、内部にも何もないなど出血等 の明らかな異常は認められない。 2 被告人及び各証人の供述の骨子並びに判断の枠組み 被告人は、被害者を発見したとき、被害者は床上に両膝をついて頭を下に下 げ、上半身がうつ伏せとなった状態になっており、被害者は自分で首を絞めて 自殺をしたのだと思う旨の供述をした。そして、証人B(以下「B医師」とい う。)、証人C(以下「C医師」という。)及び証人D(以下「D医師」という。) の各供述は、被害者の死亡の原因が窒息であるという限りでは一致しており、 その信用性を疑うべき事情はない。 B医師及びC医師は、上記の前提事実から、被害者の死因は絞頸を原因とす る頸部圧迫による窒息であると判断し、その場合、被害者が意識を消失した後 も索状物が緩まない状態を維持できなければ自殺は考えられないところ、被害 者の遺体にはそのような痕跡が認められなかったため、他殺の可能性が高い旨 を供述する。 これに対し、D医師は、被害者の死因は、自絞によって輪状軟骨が骨折し、 それによって気道内の粘膜に出血や浮腫が生じた可能性、披裂軟骨の偏位が生 じ声帯に異常が生じた可能性、反回神経が損傷し声帯麻痺や咽頭痙攣が生じた 可能性があり、上記が複合的に生じたことを原因とする気道閉塞による窒息で あって、この場合、索状物を自身の首に絞め続ける必要はないとして、自殺の 可能性がある旨を供述する。 各証人は、いずれも数多くの死体の解剖や鑑定の経験がある法医学の専門家 であるため、その供述内容は基本的に尊重すべきである。そして、各供述は自 身の供述
主文(判決文より)
被告人を懲役16年に処する。 未決勾留日数中170日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。