事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(わ)996 |
| 判決日 | 2025-03-14 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑事訴訟法181条1項、刑法21条、刑法45条、刑法199条、刑法204条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は、被告人に殺意が認められるか否かであり、その前提として、肝破 裂の原因となった暴行の内容にも争いがある。したがって、以下、①肝破裂の原因 となった、被告人がBに対して加えた暴行について認定し、②前記①で認定した事 実を前提に、被告人に殺意が認められるかを論じる。 第2 被告人が加えた暴行の内容(①について) 1 解剖医の供述概要は以下のとおりである(解剖医の知識・経験や判断の前提 事実に疑うところはないからその供述は信用でき、供述概要どおりの事実を認 定できる。)。 すなわち、Bの死因となった肝破裂は、腹部から背中に向けて圧力を加えら れ、肝臓が脊椎に押し付けられて潰れたことによって生じた。その圧力の強さ は、肝臓が挫滅にまで至っていることや、損傷しにくい腸間膜からの出血が認 められることなどに照らすと、Bのお腹と背中がくっつくくらいの強い力であ ったといえる。また、そのような強い力を殴るなどして腹部に加えた場合、乳 児の腹部が柔らかいことを踏まえても、腹部に皮下出血を伴うのが一般的であ り、肝臓表面にも複数のひびができるはずなのに、そのような所見がないこと からして、圧力を加えた方法としては、瞬間的な打撃というより、一定程度の 時間、強い力で圧迫したとみるのが自然である。また、その他の所見も踏まえ ると、圧迫された範囲は胸腹部であり、圧迫の回数は多くとも数回である。も っとも、Bの胸腹部に対してなされた具体的な行為の内容や回数までは、断定 することはできない。 2 以上の供述概要に照らせば、被告人は、Bの胸腹部を何らかの方法で、一定 程度の時間、強い力で圧迫し、よって肝破裂を生じさせたと認められる。 3 これに対し被告人は、Bの腹部をお腹と背中がくっつくくらいの力で2回殴 った旨供述し、弁護人は、この供述から、被告人がBに対してしたのは、2回 の打撃行為(瞬間的に力を加えるような行為)であると主張する。 まず、Bの腹部を2回殴打したという供述を被告人がし始めたのは、本件で 起訴されてから約半年後(事件からは約2年後)の令和6年4月以降である。 被告人は、その頃に、Bの腹部を2回殴打する夢を見たため、それまでは記憶 になかった殴打行為を思い出したと述べる。このような経緯からしても、2回 殴打したとの被告人の供述がそのまま信用できるとはいい難いが、それを措く としても、以下のとおり、弁護人の主張は採用できない。 つまり、解剖医が供述するとおり、Bの身体には、肝破裂が瞬間的な打撃に よって生じたとみるには不自然な所見が複数ある上、事件当時約58キログラ ムであった女性の被告人が、交通事故があった際に見られるような腸間膜損傷 を生じさせるほどの強い力で瞬間的な殴打をしたというのも考えにくい。そう すると、仮に、被告人が拳でBに対して暴行を加えたのだとし
主文(判決文より)
被告人を懲役12年に処する。 未決勾留日数中330日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。