事件の基本情報

裁判所福岡地方裁判所
事件番号令和5(ワ)718
判決日2025-03-24
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法709条、民法712条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに対する当事者の主張
⑴ 被告1の本件不法行為当時の責任能力の有無(争点1)
(被告1の主張)
被告1は、非常に深刻な問題を抱えた家庭環境・養育環境の下、精神的な発
達が阻害されていた状況であり、同年齢の者に比べて未成熟な部分が存在した
のであり、本件不法行為時においても、虐待の影響等によって現実感を喪失し、
自己の行為の意味を弁識するに足りる能力がなかったといえるから、被告1は
本件不法行為時責任能力がなかった。したがって、被告1は、民法712条に
より、損害賠償責任を負わない。
(原告らの主張)
本件不法行為の前後の行動からすれば、被告1は合理的に物事を判断し行動
していると評価できること、本件刑事事件において被告1の精神鑑定が行われ
た結果、責任能力が認められていること(甲20)からすれば、被告1には本
件不法行為当時責任能力が認められる。
⑵ 被告2の監督義務違反の有無(争点2)
(原告らの主張)
ア 監督義務違反
被告2の監督義務違反を基礎づける事実は、被告1の特性に応じ指導監督
すべき義務違反、仮退院に際しての受入拒否、本件事件以前の不適切な指導
監督である。
被告2は、当時未成年であった被告1の親権者であり、子である被告1を、
同人の特性に応じ、関係機関と連携を取りながら、指導監督する立場にあっ
た。それにもかかわらず、被告2は、被告1と同居していた期間、被告1に
対して不適切な監護を行っており、施設等に入所する前に問題行動を繰り返
していた被告1に対し、病院での診断を踏まえた療育や、対人関係に関する
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適切な指導を行っていなかった。また、被告1が施設に入所してからは、少
年に対する指導は施設職員に委ねた上、面会に進んで行くことはなく、施設
からの連絡を無視したり、不適切な差し入れをしたりするなどの行為をして
おり、親権者としての監督義務を果たしていなかった。加えて、被告1が少
年院を仮退院する際に、被告2がその身元を引き受けることを拒否したこと
からすれば、被告2は被告1に対する監督義務を尽くしていたとはいえない。
そして、被告1は、幼少期から、第三者に対する暴力的傾向を有しており、
被告2はそのことを把握していたのであるから、被告1の第三者に対する加
害行為について具体的予見可能性を有していた。被告2は、被告1が施設に
入所してからも、面会や手紙、施設からの連絡、施設への問合せ等を通じて
被告1の上記暴力的傾向の改善状況等、被告1の変化を具体的に把握する義
務があったのであるから、被告1が施設に入所して矯正教育を受けていても
なお、原告2は本件不法行為の予見可能性を有していた。また、被告1が被
告2のもとに戻りたがっていたことを考慮すると、被告2が被告1に対して
愛情や具体的な対策をもって指導監督義務を尽くしていれば、

主文(判決文より)

1 被告1は、原告Aに対し、5188万0640円及びこれに対する令和2年
8月28日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
2 被告1は、原告Bに対し、220万円及びこれに対する令和2年8月28日
から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。
3 原告らの被告2に対する請求及び被告1に対するその余の請求をいずれも棄
却する。
4 訴訟費用のうち、原告Aと被告1との間に生じたものは、これを10分
し、その3を原告Aの、その余を被告1の負担とし、原告Bと被告1との
間に生じたものは、これを5分し、その3を原告Bの、その余を被告1の
負担とし、原告Aと被告2との間に生じたものは原告Aの負担とし、原告
Bと被告2との間に生じたものは原告Bの負担とする。
5 この判決は、第1項及び第2項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。