事件の基本情報
| 裁判所 | 神戸地方裁判所 姫路支部 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成21(ワ)21 |
| 判決日 | 2010-12-08 |
| 分類 | 労働 |
| 判決種別 | 決定 |
| 判決文が挙げた条文 | 労働基準法6条、民法90条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 原告・被告間には,労働契約が成立しているか。 (原告の主張) (1) 原告は,被告・溜畑鉄工間の業務請負契約に基づき被告製作所にて勤務を 開始したものであるが,溜畑鉄工の従業員で原告の行う作業を指揮命令する 者はおらず,原告はいずれも被告の社員である作業長らの指揮の下で業務に 従事していたのであるから,被告・溜畑鉄工間の契約関係は,業務請負契約 ではなく,いわゆる偽装請負である。 そして,平成12年5月当時,原告が従事した「物の製造」という業務に おいて労働者派遣は認められていなかったから,被告・溜畑鉄工間の法律関 係は,労働者派遣契約ではなく脱法的な労働者供給契約と解さざるを得ない ところ,同契約は,職業安定法44条及び中間搾取を禁じた労働基準法6条 に違反し,強度の違法性を有し公の秩序に違反するものであるから,民法9 0条により無効となり,労働者供給を目的とする原告・溜畑鉄工間の労働契 約も,不法動機を目的とするものであるから,民法90条により無効となる。 (2) ところで,社外労働者が受入企業の事業場において同企業から作業上の指 揮命令を受けて労務に従事している場合,供給元企業の存在が形式的・名目 的なものに過ぎず,実際には受入企業において労働条件を決定していると認 められる場合には,受入企業との黙示の雇用契約の成立が認められる場合が あるところ,黙示の合意により労働契約が成立したかどうかは,当該労務供 給の具体的実態により両当事者間に事実上の使用従属関係,労務提供関係, 賃金支払関係があるかどうか,この関係から両者に客観的に推認される黙示 の意思の合致があるかどうかによって判断するのが相当である。 そして,本件の場合, ア 溜畑鉄工は,被告及びせいぜい被告と同一グループ下にある会社にのみ 労働者を派遣しているものであって,その意味では,被告の第二人事部的 存在であり,被告との関係において独立した存在とは認め難く,原告の採 用にしても,被告の作業長らが面接や実技試験を行って採否を決定してお り,溜畑鉄工による原告の採用は,被告による採用を代行して行ったもの に過ぎないと評価されること イ 原告は,被告従業員と渾然一体となり,被告の作業長ら被告従業員の指 揮命令を受けて労務に従事するとともに,出退勤の管理も被告が行うなど 原告・被告間には使用従属関係が認められること ウ 被告と溜畑鉄工との契約代金は,実質上被告が決定し,しかも原告の賃 金額(プラス溜畑鉄工の手数料)として定められていると思われること からすれば,原告が被告製作所にて就労を始めた当初から,原告・被告間 には期間の定めのない黙示の労働契約が成立していることは明らかである。 (3) さらに,前記のとおり,被告・溜畑鉄工間及び原告・溜畑鉄工間の契約は いずれも公序良俗に反して無効となるとこ
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。