事件の基本情報
| 裁判所 | 神戸地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成22(わ)1072 |
| 判決日 | 2011-11-29 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点に対する判断) 1 判示第1の1の準強制わいせつ及び同2の準強姦致傷の各事実についての共通 の争点は,被告人による各行為当時,① Aが心神喪失の状態にあった(すなわち, Aに,性的行為の意味を理解する能力がなかった)か否か,これに関連して,A が各行為につき同意をしていたか否か,② Aが心神喪失の状態にあることを被告 人が認識していたか否かの2点であり,準強姦致傷の事実については,さらに, ③ 姦淫行為があったか否かの点も争われている。また,判示第2の公務執行妨害 の事実についての争点は,④ C警部に対する脅迫の有無,⑤ 同暴行の故意の有 無,⑥ C警部の職務行為の適法性の3点である。 2 争点①(Aが心神喪失状態にあったか否か,Aによる同意の有無)について 関係各証拠によれば,Aは,小学校及び中学校では知的障害等のある生徒の入 るクラスに,高校では養護学校にそれぞれ在籍していたが,いずれの学校でも, 男女の性に関する教育をほとんど受けておらず,実際,Aには,上記の養護学校 で,スカート内の下着が見えるのを気にせず足を広げて座ったり,生理用品を隠 さず持ち歩くなど,性的な事柄に対する理解力や羞恥心に欠ける行為が少なから ず見受けられたこと,Aは,以前から療育手帳の交付を受けていたが,平成20 年8月の同手帳の更新時には,発達指数(DQ)が14,知的発達水準が2歳5 か月程度で,その前回の更新時(平成15年)と同じく,重度の知的発達遅滞と 判定されたこと(甲79等),また,平成22年8月の精神鑑定時にも,IQ(田 中ビネー検査)が14.5,知的発達水準が2歳4か月程度と鑑定されたこと(甲 2),Aの公判での証言も,単純な質問に対し辛うじて簡単な表現で返答できる 程度のレベルにとどまるもので,上記の各知的水準に沿う内容のものであったこ と,以上の各事実が認められる。 また,上記の養護学校で3年間Aの担任の教師をしていたDや,上記の判定や 鑑定にそれぞれ携わったE,Fの両医師が,Aには性的行為の意味を理解する能 力がないと判断する旨の一致した意見を述べているだけでなく,被告人自身も, 捜査段階では,後に述べるとおり,Aの知的能力が相当に低いと供述しており, Aに性的行為の意味を理解する能力があると考えていたような形跡は全くない。 これらの事実からすると,Aは,被告人による判示第1の各行為当時,いずれ も重度の知的発達障害であったことに何らの疑いがないのはもとより,同障害の ために,手淫行為や姦淫等の性的行為の社会的,倫理的意味や生物学的意味をい ずれも理解しておらず,従って心神喪失の状態にあったことは明らかであって, この点に合理的な疑いを差し挟む余地はない。そして,この判断は,Aが日常的 な家事や比較的単純な作業に関しては繰り返し教えられればある程度できるこ
主文(判決文より)
被告人を判示第 1 の1の罪について懲役2年に,判示第1の2及び第2 の各罪について懲役9年に処する。 未決勾留日数中310日を判示第1の1の罪の刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。