殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反

事件の基本情報

裁判所神戸地方裁判所
事件番号平成23(わ)349
判決日2012-08-02
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
1 争点
本件の主要な争点は,判示第1の殺人の事実についての,殺意の有無と正当防
衛の成否の2点である。(cid:1)
2 殺意の有無(cid:1)
本件ナイフは,全長約31.5㎝,刃体の長さ約19.5㎝の,細長く刃先が
鋭く尖った殺傷能力の高いもので,被告人は,このナイフをロープを切断するた
めに使用したことがあり,その性能を十分に知っていた。また,被告人は,被害
者の胴体や顔面を,いずれもそれと分かって刺しており,特に顔面についてはあ
えてこれを狙って刺した。被害者の傷害は,左上腹部のものについては,左第8・
第9肋骨を折損し,胃,膵臓及び左腎臓を貫通して腰椎に達して終わる,深さ約
16.7㎝の傷であり,左眼窩下部のものについては,左眼窩を貫通して脳幹部
分に入り,右小脳や右後頭葉を貫通して右後頭部の脳硬膜に達して終わる,深さ
約18.2㎝の傷である。いずれについても,その部位が人の身体の重要部分で
ある上,被告人が2回とも相当な力を入れて本件ナイフを突き刺したことは明白
である。そして,被告人は,これらの行為後に,自らは被害者を救助しようとし
ていないばかりか,倒れて救護措置を受けている被害者の方に本件ナイフを持っ
(cid:1) (cid:3)(cid:1)
たまま向かって行こうともしていた。(cid:1)
以上によれば,上記の2回にわたる本件ナイフによる刺突行為が,人が死ぬ危
険性のある行為であるとともに,被告人も,そのような行為であると分かってこ
れを行ったことは明らかであるから,被告人に被害者への殺意があったことは十
分に認められる。(cid:1)
3 正当防衛の成否(cid:1)
 本件の直前の状況から前記刺突行為に至る経緯は,次のとおりであったと認
められる(以下の括弧内の各地点は,いずれも別紙図面上に表示のもの)。(cid:1)
被告人は,被害者らが判示のキムチ販売店(以下「キムチ店」という。)のシ
ャッターにコンクリートブロックをぶつけたと考え,同店南側車道上の東寄り
(駐車車両の地点付近)に停められていた自動車を挟んで,車道側に立ってい
る被害者らと口論となり,その後同店南側歩道上(《略》)まで移動した被害者
と引続き口論の末,被害者から顔面を拳で数回殴られた。そして,被告人がキ
ムチ店に戻り,本件ナイフを持って店外に出ると,被害者らは東方向に数m離
れた場所(《略》)におり,被告人は,そのナイフを右手に隠し持って被害者ら
の方に向かって歩き出した。この様子を近くの横断歩道上(《略》)から目撃し
た通行人が,被告人に向かって「やめとけ,警察に連絡するぞ。」と言うと,被
告人は,通行人の方を向いて「おう,せんかい。」とどなって答えた。被告人は,
被害者に近付き,本件ナイフの刃先を被害者に向けた後,被害者は被告人に向

主文(判決文より)

被告人を懲役11年に処する。
未決勾留日数中320日をその刑に算入する。
押収してあるパン切りナイフ1本(平成24年押第17号の1)を没収す
る。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。