建造物侵入,現住建造物等放火,殺人未遂,公務執行妨害

事件の基本情報

裁判所神戸地方裁判所
事件番号平成25(わ)627
判決日2014-02-07
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断)
弁護人らは,判示第2の各殺人未遂の犯行における被告人の殺意を否定し,被告
人もこれに沿う供述をするところ,被告人が上記の犯行に使用したガソリンの引火
性や燃焼力が極めて高いことは衆知の事実である上,上記犯行の際に750㎖入り
のワインボトル3本と18~20ℓ入りのポリタンク2個に入っていたガソリンの
総量が大量であったことなどに照らすと,ガソリン入りのワインボトルに点火して
これを多数の職員が在勤している前記C課室内に投げ入れたり,ポリタンク等の中
に入ったガソリンをその周辺にまき散らすなどした被告人の一連の行為は,同課職
員らが火の点いたガソリンを浴びて火だるまとなったり,ガソリンに点いた火が同
課全体に急速に燃え広がるなどして,同課職員らを死亡させる危険性が高い行為で
あることが明らかである。そして,ワインボトルを投げ入れた同課内に多数の職員
が在勤していたことを被告人が認識していたことは,被告人自身が認めていること
(cid:1) (cid:3)
などを考えあわせれば,被告人が自らの上記一連の行為の危険性を認識していたこ
とも認められる。
そうすると,上記の犯行の際,被告人に殺意があったことは十分に認められる。
なお,証拠上,被告人が,特定の人物を目掛けてワインボトルを投げ入れた事実
まで認めることはできないが,このことは上記の殺意の認定に影響しない。(cid:1)
(法令の適用)
省略
(量刑の理由)(cid:1)
判示第2の現住建造物等放火などの事実について,犯行時,被告人が追い詰めら
れた心境にあったとしても,その経緯や動機はまことに身勝手で理不尽というほか
ない。大量のガソリンを使用し不特定多数の市民らも出入りする市役所の業務時間
内に放火に及んだ被告人の行為は,多数の職員や一般来庁者の生命や身体に重大な
危害を加える危険性が高く,建造物侵入及び3名の職員に対する殺人未遂とも評価
されるものであって,その犯行態様は極めて衝撃的で悪質である。高く大きく燃え
広がった炎や大量の黒煙等により,市役所の建物や備品などに合計2億5700万
円余りの甚大な財産的被害が発生したほか,C課の一時移転や書類の焼失など,市
役所や市民に有形無形の損害が生じており,焼損面積が大きいとはいえないことを
量刑上さほど考慮することはできない。(cid:1)
そうすると,本件は同種の放火事案の中でも特に重い部類に属するというべきで
あるが,他方,幸いにも,本件で重篤な傷害を負った被害者がいなかったことを考
慮すると,公務執行妨害罪の刑をあわせても,現住建造物等放火罪の有期懲役刑の
上限である20年をやや下回る程度の刑をもって臨むのが相当である。(cid:1)
その上でその他の一般情状についてみると,本件が社会に与えた恐怖感や不安感
が大きいと考えられるこ

主文(判決文より)

被告人を懲役18年に処する。
未決勾留日数中110日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。