事件の基本情報
| 裁判所 | 神戸地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(わ)158 |
| 判決日 | 2014-09-19 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,被告人が,そのパックを手に取ったことが,窃盗の犯意及び不 法領得の意思に基づく窃盗の実行行為と認められるか否かである。 3 店長及び従業員の各公判供述(目撃状況等について) 店長の供述内容 前記店長の公判供述によると,被告人が来店し万引きをしようとしたとする 状況について,本件以前に被告人が同店で万引きをしようとしていたのを見た ことがあり,また従業員から実際に万引きをしたことがある旨を聞いていたの で,本件当日も来店した被告人が万引きするのではないかと注視していたとこ ろ,レジ近くに陳列してあったパックを,1.5メートルほど離れたところか ら体や片手を伸ばして店員に気づかれないようにこそっと取り,上着の右ポケ ットに入れるような仕草をしたので,パックをポケットに入れたと思った(実 際には手に持ったままだった。),その後店外に出ていこうとしたので追いか けて捕まえた,被告人は店内では終始,自分(店長)の方を見ていた,などと いうのである。 従業員の供述内容 また,前記従業員の公判供述によると,本件の3日前(1月30日)に被告 人が来店して同じパックを万引きされたことがあったので,店長にもそう報告 していた,本件当日も被告人が来店した,そのとき自分(従業員)はレジ前に いたが,店長に声をかけて一旦レジ前から移動すると,被告人はレジ近くに陳 列してあったパックを右手ですっと取った,その後,またレジの方に戻ったが, 被告人はパックを持った右手を自分(従業員)から隠す感じで被告人の身体の 陰になるよう体勢を変え,ショーケースの陰から自分(従業員)の様子をうか がうなどし,店外へ出ようとしたところで店長がぱっと捕まえた,などという。 各供述の信用性 その供述内容からしても,前記店長,従業員の両名とも,被告人が万引きを するかもしれないと思い,相当注意して被告人の動静を注視していたことは明 らかであり,また,両名の供述は概ね一致しているのであるから,その供述は 基本的に信用できるというべきである。ただ,両名とも,被告人が以前にも万 引きした犯人だという前提で見ており,先入観から被告人の動作を殊更に万引 きと結びつけようとする可能性は否定できない。例えば,店長は,被告人がパ ックをポケットに入れたと誤認しているが,これもそのような先入観が影響し ている可能性があるといえる。そうすると,両名の各供述のうち,観察者の主 観的な評価が入り込む事項については,その信用性は慎重に検討することが相 当である。 4 検討 以上を前提に,検察官の主張をも踏まえて,パックを手に取った被告人の行為 が窃盗の犯意や領得意思に基づく実行行為といえるかを検討する。
主文(判決文より)
1 被告人を懲役8月に処する。 2 未決勾留日数中90日をその刑に算入する。 3 平成26年3月28日付け起訴状記載の公訴 事実(窃盗未遂)については,被告人は無罪。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。