現住建造物等放火

事件の基本情報

裁判所神戸地方裁判所
事件番号平成26(わ)1005
判決日2015-06-18
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①現住建造物等放火の故意の存否と②責任能力減弱の有無であ
る。
2 争点①(現住建造物等放火の故意)について
(1) 当事者の主張
検察官は,本件建物納戸内にはふとん等が収納されており,燃焼しやすい状
態にあったところ,そのことを被告人も認識していたこと,被告人の目の前で
被告人が火を放った物から炎が上がったが,被告人は何らの消火活動も行わな
かったこと,被告人の弁解を前提とすると,本件建物が火災になった事実を説
明できないことなどを挙げ,被告人には現住建造物等放火の故意が認められる
と主張する。これに対し,弁護人は,被告人は,発作的に納戸内のふとんにラ
イターで火を点け,すぐにその付近を左手で擦って消したこと,この弁解を前
提としても,火災の発生を矛盾無く説明できる余地があることなどを挙げ,被
告人には,現住建造物等放火の故意はなく,建造物等以外放火罪が成立するに
とどまると主張する。
(2) 前提事実
次の各事実は,当事者間に概ね争いがなく,関係各証拠により容易に認めら
れる。
ア 平成26年9月15日午後6時頃本件建物で火災(以下「本件火災」とい
う。)が発生し,本件建物の一部が焼損した。その出火元は納戸であった。
イ 納戸の広さは,東西1.8メートル,南北2.7メートルであり,納戸内
には,ふとんやカーペット,かばん,段ボール,本などが収納されていた。
ウ 被告人は,本件建物で生活し,換気などの目的で日常的に納戸に出入りし
ていた。
(3) 本件火災の原因
ア 被告人の弁解について
被告人は,納戸内に収納されていたふとん(シーツで包まれていたもの,
以下,併せて「ふとん」という。)の上面真ん中手前にライターで火を点け,
その表面に3ミリメートルほどの穴が開いたところで,あわてて左手で擦っ
て火を消す動作をしたが,その際炎は見ていない旨供述する。しかし,本件
火災の原因を調査した科学捜査研究所員Bの証言(B証言は,科学捜査研究
所員としての火災原因の調査に関する豊富な経験に基づくものである上,具
体的根拠を示して述べられており信用できる。)によれば,そもそも,被告
人が供述するような,表面に3ミリメートル程度の穴しか開かないような態
様の放火行為では熱量が足りず,ライターをふとんから遠ざけた後もふとん
が炎を上げて燃えている状態とはならない。
また,仮に,被告人が供述するように,ふとんに火は点いたものの,左手
で擦ったことによって火が消えたとして,その後再びふとんが燃えて本件火
災の発生につながる可能性としては,燻焼(再燃火災)が考えられる。しか
し,前記B証言によれば,燻焼状態から炎を出して燃え上がるまで少なくと
も2時間は必要であって,その間に多量の煙が発生するところ,本件建物2
階階段上という設置箇所に照らして煙感知式のものであると

主文(判決文より)

被告人を懲役3年に処する。
未決勾留日数中100日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。