殺人,住居侵入,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反

事件の基本情報

裁判所神戸地方裁判所
事件番号平成26(わ)759
判決日2015-10-08
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑法21条、刑法45条、刑法54条1項、刑法130条、刑法199条、刑法203条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,被告人が本件各犯行時に心神耗弱の状態にあったか否かである。
2 当事者の主張
⑴ 弁護人の主張
弁護人は,本件各犯行時に,被告人は薬剤性精神障害及び双極性障害(躁う
つ病)に加え,自己愛的・情緒不安定的パーソナリティ障害を有しており,こ
れらがあいまって,責任能力,とりわけ行動制御能力が著しく減退していた状
態であったから,心神耗弱状態にあったと主張する。
⑵ 検察官の主張
検察官は,本件各犯行時に被告人が有していた薬剤性精神障害の程度は軽度
なものであり,双極性障害(躁うつ病)については,仮にあったとしてもその
程度は軽度であることから,これらの精神障害の各犯行への影響はほとんどな
く,判断能力や行動制御能力は完全に保たれており,心神耗弱状態にはなかっ
たと主張する。
3 当裁判所の判断
⑴ D鑑定について
精神科医師Dによる精神鑑定では,本件各犯行時,被告人は,いわゆる脱法
ハーブの連用により易怒性や衝動性が亢進していた可能性はあるがその程度は
軽度であるとされている。また,被告人がかつて診断を受けたことのある双極
性障害(躁うつ病)についても,診断時に「閾値下」とされていたことや,本
件各犯行時や鑑定時に精神症状が見られないことから,その存在には否定的で
あって,仮にあったとしてもその程度は軽微であり,それ以外の精神障害の存
在は否定できるとされている。そして,本件各犯行に対する精神障害の影響に
ついては否定されており,本件各犯行は,被告人の自己愛的・情緒不安定的な
パーソナリティによって行われたものであるとされている。
上記鑑定結果は,鑑定人の経歴や経験,判断資料等のいずれにおいても特に
問題がなく,十分信用することができる。
⑵ 殺害の動機や当時の言動等について
被告人がA及びB夫妻に殺意を抱くに至った経緯は,各判示のとおりであっ
て,いずれも不自然なものではなく,特に,被告人の自己愛的・情緒不安定的
なパーソナリティを前提とすれば,十分理解できるものである。また,本件各
犯行時の行動においても,被害者らの殺害という目的に照らして不合理な点は
なく,むしろ,被害者側の対応に即して合理的に行動している。さらに,被告
人は,A殺害の直後,早期の発覚を免れる目的でAの携帯電話を破壊している
ほか,B夫妻に対する犯行直後には「日本はすぐ出てこれるんじゃ」などと服
役を前提とする発言をしている。
以上のとおり,殺害動機やその形成過程,各犯行時や直後の言動等に,特段,
不自然な点や不合理な点は見られず,当時の被告人に精神障害の影響はうかが
われない。
⑶ 弁護人の主張について
弁護人は,被告人が心神耗弱状態にあったことの根拠として,本件各犯行時
の被告人には「モンスター」という存在が芽生えていたこと,事件の数か月前
に警察署に電話をし,自らを拘束

主文(判決文より)

被告人を懲役24年に処する。
未決勾留日数中240日をその刑に算入する。
神戸地方検察庁で保管中のハサミ1丁(平成26年領第22
10号符号5),包丁1丁(同符号11)及び金属棒1本
(同符号6)を没収する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。