公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和38年兵庫県条例第66号)違反

事件の基本情報

裁判所神戸地方裁判所
事件番号平成27(わ)1080
判決日2016-06-20
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑事訴訟法336条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点である。
当裁判所は,被害者証言の信用性には疑いを入れる余地があり,被告人が
公訴事実の犯行をしたと断定するには合理的な疑いが残るから,被告人は無
罪であると判断した。その理由は次のとおりである。
2 被害者は,本件当時まで被告人と面識がなく,全くありもしない出来事を
作り上げて嘘の証言をする動機は想定し難い。また,証拠によれば,本件当
時,被害者の隣に座っていたのは被告人だけであったことが認められ,人違
いの可能性もない。加えて,被害者の証言する被告人の行為は,被告人の座
席の左端付近をつかんでいた左手の肘から先を180度回転させ,手のひら
を上にした状態で,被害者の右足と座席の間に指先を差し入れ,人差し指,
中指,薬指の3本を動かして,太ももの裏側をタイツの上から触ってきたな
どという相当具体的で詳細なものである。しかも,記録によれば,被害者は,
本件当日の夜になってはじめて警察官に被害を申告し,その時点においては
犯人を特定できなかったが,その2日後,偶然バスに乗り合わせた人物を犯
人として特定して警察官に通報したところ,その人物が実際に本件当時被害
者の隣に座っていた被告人であったことが認められる。これは,犯行があっ
たとされる日時場所において,被害者が被告人を明確に認識し,記憶したと
いうことであり,何らかの強い印象を抱く出来事があったことを示している。
そうすると,その証言の信用性は相当高いようにも思われる。
しかし,被害者が述べる犯行の態様は,バスの車内において短時間のうち
に行われたごく単純なものであるから,その証言が実は誇張を含んでおり,
あるいは錯覚や記憶違いを含んだものであったとしても,具体的で詳細な証
言をすることは難しいことではなく,具体的で詳細であるというだけで信用
できるとはいえない。また,すべてが嘘である可能性は低く,人違いの可能
性も否定できるとはいえ,例えば,被告人の体の一部や荷物が偶然被害者の
体に触れたのに,故意に触られたように被害者が錯覚したといった可能性ま
で直ちに否定されるわけではない。したがって,上記の事情だけで被害者証
言を信用することはできず,その信用性を判断するには,更に慎重な考慮が
必要である。
3 そこで,被害者証言の信用性について,更に検討する。
⑴ 被害の具体的状況に関する被害者の証言には,これを裏付ける証拠はな
い。
検察官は,被害者がバスの車中から友人に対してラインのメッセージで
被害を伝え,犯行の2時間余り後には母親に電話をかけて被害を伝えてい
ると主張する。しかし,ラインのメッセージは「あとで,ちょさ話ある」
というもの,母親に対するものも「足を触られた」というものに過ぎず,
いずれも,証言にあるような詳細な被害状況を訴えるものではなく,偶然
触れたものを故意に触られたように錯覚

主文(判決文より)

被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。