事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成20(ワ)3224 |
| 判決日 | 2010-03-26 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) 被告がどのような法的義務を負うか。 (2) 被告に情報提供義務違反行為があったか。 (3) 損害及び因果関係 3 当事者の主張 (1) 争点(1)(被告がどのような法的義務を負うか。)について (原告らの主張) ア シンジケートローンのアレンジャーは,参加金融機関の利益に配慮しな がら適正なシンジケートローンの組成に努める義務(信認義務)を負い, その義務の一内容として,参加金融機関が参加の是非を判断するための情 報を適正に提供すべき義務(情報提供義務)を負う。 したがって,被告は,本件シンジケートローンのアレンジャーとして, 原告ら参加金融機関に対する情報提供義務を負っていた。 イ シンジケートローンにおいて,参加金融機関はアレンジャーを通じて借 入人との情報授受を行うしかないこと,インフォメーション・メモランダ ムの作成をアレンジャー自ら行っているのが通常であることなどに照らす と,下記(ア)又は(イ)のような場合には,アレンジャーは,信義則上,情 報提供義務違反の責任を負うというべきである。なお,アレンジャーが信 義則上の情報提供義務を負うのは,シンジケートローンにおけるアレンジ ャー,借入人及び参加金融機関の特殊な関係に基づくものであり,債務不 履行責任と位置づけるのが相当である。 (ア) 次の①ないし③の要件に該当する情報を取得しながら,当該情報を 参加金融機関に提供しなかった場合 ① アレンジャーが知っていながら参加金融機関に伝達していない情報 が存在すること ② その情報が,借入人から提供されない限り,参加金融機関が入手し 得ないものであること ③ その情報が,参加金融機関のローン・シンジケーションへの参加の 意思決定のために重大な情報であること (イ) インフォメーション・メモランダムに重大な虚偽記載がある場合に おいて,アレンジャーがそのことを知りながら,当該記載を訂正させた り,あるいは虚偽であることを参加金融機関に告知するなどの適切な情 報提供を怠った場合 ウ 上記イの場合に,信義則上の情報提供義務が契約責任(債務不履行責 任)と認められないとしても,不法行為を構成するというべきである。 (被告の主張) 否認ないし争う。 ア アレンジャーたる地位に基づく情報提供義務(信認義務)について (ア) 原告らが主張する信認義務の内容は,極めて曖昧で漠然としており, それ自体法的概念とは認め難い。 (イ) アレンジャーは,あくまで借入人から委任を受けてローン・シンジ ケーション取引の組成を行うものであり,参加金融機関との間で委任関 係等特段の契約関係はないから,法論理的にみて,参加金融機関に対す る法的義務として信認義務を観念する余地はない。 (ウ) 欧米においては,当事者の一方が相手方の信頼を受け,その者の利 益を念頭において行動
主文(判決文より)
1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。