公文書非開示処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号平成20(行ウ)110
判決日2010-08-23
分類民事
判決種別決定

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,本件非開示部分の情報が本件条例7条3号所定の非開示情報に該当
するか否かであり,それに対する当事者の主張は,次のとおりである。
(被告の主張)
(1) 本件条例7条3号アの「害するおそれがあるもの」とは,文言上「害すると認
められるもの」など,非開示の範囲を強く限定する文言が用いられていないことなど
から,法人等の権利が,いつ,どこで,どのように害されるのかなど,具体的な侵害
の強い蓋然性が明らかにされなければ非開示とすることはできないというような厳格
な解釈は採用できない。また,開示の当否が問題となっている文書について,訴訟上
の主張立証の過程において結果的に当該文書の開示が要求されることになることも避
けなければならず,「害するおそれがあるもの」の判断に当たっては,当該情報が,
どのような法人等に関するどのような種類のものであるかなどといった一般的な性質
から当該法人等の権利利益等を害するおそれがあるか否かを客観的に判断するのが相
当である。
(2) 本件文書は,本件施設の技術仕様等に関するものであり,本件施設のような一
般廃棄物処理施設の設計施工を行う企業は,日本にはわずかしかなく,被告に提案を
行った2社は,常に自治体から契約受注を得るために競争状態にあるものである。し
たがって,もし,技術説明や提案などに,競争相手がいまだ有していない技術情報が
含まれていたり,個々の技術は一般的であっても,その組合せによって新規性のある
技術となったり,新たな利用方法となる情報が含まれることもあるから,このような
情報が競争相手に知られると,別の受注競争では,競争相手は同じ技術を持っている
と説明することになると容易に予想でき,その場合には,それまで保っていた優位性
が崩れることになる。また,数値データにしても,技術の到達レベルやそのヒントを
競争相手に分からせてしまう可能性がある。
本件文書は,本件施設の技術提案書であり,企業独自の技術やノウハウ,それらに
基づくアイデアが多く含まれる性質のものである。そして,技術提案書は,受注獲得
を目指す企業が,発注者が求める様々な仕様,条件に対応するために,その企業が保
有する独自の技術・ノウハウ,それらに基づくアイデアを集約したものであり,発注
者へ当該企業の技術力,経営力などをアピールすべき創意工夫がされているものであ
る。すなわち,本件文書は,一般に公にされていない企業独自の技術情報,経営戦略
など,当該企業にとって,競合相手には知られたくない極めて秘匿性の高い情報が記
録されたものなのである。
したがって,本件文書は,個別の評価項目ごとに「おそれ」の有無を検討するまで
もなく,本件非開示条項に該当することは明らかである。
(3) 各非開示部分ごとの非開示事由に当たる事情は,別表のとおりである。
(4)

主文(判決文より)

1 本件訴えのうち,公文書一部非開示処分による非開示部分の開示の義
務付けを求める訴えを却下する。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用は,原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。