議決取消請求事件

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号平成23(行ウ)33
判決日2012-01-19
分類民事

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,本件議決が議会の権限を越えるものであるか否かであり,これに
関する当事者の主張は,次のとおりである。
(原告の主張)
(1) 地方自治法(平成23年法律第35号による改正前のもの)2条4項は,
市町村が地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想を定め
るには,議会の議決を経なければならないことを規定している。しかし,この基本
構想の下に策定される基本計画等については,議会に策定権,提案権を認める法令
の規定がないことから,地方自治法148条及び149条9号の規定による長の事
務の管理執行権限に基づき,長にその権限が委ねられている。
そうであるとすれば,本件条例により,総合計画の策定が被告の議決事項とされ
たとしても,策定権及び提案権は原告に専属するというべきであり,策定権及び提
案権を有しない被告が,原告の計画策定の趣旨を損なう内容の修正を行うことや,
原告の事務の管理執行に係る個別具体的な内容に踏み込んだ修正を行うことは,原
告の策定権及び提案権を侵害し,許されないというべきである。
また,同法96条1項が議会の権限を具体的・限定的に列挙し,同条2項による
議決事件の追加を補充的・限定的に認めるという規定形式を採用していること,及
び総合計画の策定段階での議会の関与が,二元代表制システムないし首長主義の下
での修正権の行使にとどまるもので,上級行政庁・下級行政庁の間のごとき上下関
係の下での修正権の行使に基づくものではないことなどに鑑みれば,修正権の行使
が単なる修辞的な字句の訂正にとどまるなど,議会の修正権として相応しくないか,
その重要度において同条1項の議決のような内実を伴わない程度の修正である場合
には,議会の権限を超えるというべきである。
(2) 本件戦略ビジョンは,名古屋市の基本構想の下に策定された総合計画であ
り,長期的な視点に立って施策の方向性を示す基本計画的な内容と具体的な目標や
事業を掲げた実施計画的な内容の2つの性格を併せ持つものである。そして,本件
各修正のうち,本件修正2ないし5及び18は基本計画的な内容に係るものであり,
その余の修正は実施計画的な内容に係るものであるところ,本件各修正は,以下の
とおり,いずれも議会の権限を超えるものである。
ア 基本計画的な内容に係る修正(本件修正2ないし5及び18)について
本件修正2は「地域委員会」を「地域主体のまちづくり」に,本件修正3ないし
5及び18は,「冷暖房のいらないまち」を「冷暖房のみにたよらないまち」に,
それぞれ凡庸な表現,用語に変更する修正である。
「地域委員会」や「冷暖房のいらないまち」という施策用語は,市政運営の中核
的な基本理念であり,原告が市長選挙に際してマニフェストにも掲げることにより
市民の負託を得て提示された重要なキーワードで

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は,原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。