生活保護費返還決定処分取消請求事件

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号平成25(行ウ)22
判決日2013-08-29
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法25条、民法703条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①本件決定の処分性(本案前の争点),②本件決定の適法性
(本案の争点)であり,これらに関する当事者の主張は,以下のとおりである。
(1) 本件決定の処分性(本案前の争点)
-3-
(原告の主張)
ア 憲法で保障される健康で文化的な最低限度の生活は,普遍的に保障される
性質のものであって,憲法25条,14条,経済的,社会的及び文化的権利
に関する国際規約(以下「A規約」という。)2条2項,9条,11条1項
に照らすと,外国人も,日本国民と同様に,生活保護を受ける権利及び生活
保護法の適用を受ける法的権利を有する。
したがって,外国人に対する生活保護について行政庁のなす決定には処分
性が当然に認められる。仮に生活保護について外国人の不服申立ての途が閉
ざされると,その保障は実質を伴ったものとはいえず,憲法25条,14条
に違反する。
イ 本件決定は,通知による措置という形を採っているが,実質的には生活保
護法の適用と同視すべきであるから,その個別具体的な運用に不服がある場
合には,訴訟によりその適否を争い得ると解すべきである。
また,昭和29年通知は,日本国との平和条約(いわゆるサンフランシス
コ平和条約)の発効に伴い,法の欠缺を補うために代替措置として講じられ
たものであり,遅くとも昭和57年1月の難民の地位に関する条約の発効以
降においては,生活保護法の補完的な立法措置としての性質が確立したもの
というべきである。
ウ 生活保護行政における実務の運用では,保護の決定や生活保護法63条に
基づく保護費の返還についての通知の際に,日本国民に対する生活保護と全
く同様の内容での決定や通知がされている。
エ 以上によれば,本件決定は,取消訴訟の対象となる行政処分に当たる。
(被告の主張)
ア 生活保護法に基づく保護を受ける者は,同法1条の規定の文言や同法の制
定の際の沿革に照らし,日本国籍を有する者に限られており,外国人は同法
の適用対象とはされていない。
-4-
イ 生活に困窮する外国人は,昭和29年通知に基づき,生活保護法による生
活保護と同様の給付を受けることができるものとされているが,これは,行
政上の措置(以下「行政措置」という。)であり,法律上の権利として保障
されたものではないから,行政措置に対して不服申立てや取消訴訟を提起す
ることはできない。給付の返還請求についても同様の取扱いがされており,
本件決定は,生活保護法63条を適用してしたものではなく,同条に準じて
行政措置の一つとして行われたものである。
ウ 以上によれば,本件決定は,取消訴訟の対象となる行政処分には当たらな
い。
(2) 本件決定の適法性(本案の争点)
(原告の主張)
ア 生活保護法における障害者加算は,国民年金法の障害基礎年金の条項を準
用するという取扱いがされており

主文(判決文より)

1 本件訴えを却下する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。