覚せい剤取締法違反,関税法違反

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号平成27(わ)1640
判決日2017-06-22
分類民事

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点は,被告人が前述の方法で本件覚せい剤を本邦に持ち込んだこと,
被告人が統合失調症にり患していることを前提として,①本件スーツケース内
に覚せい剤を含む違法薬物が入っているかもしれないと分かっていたか(覚せ
い剤の営利目的輸入の故意),②善悪を判断する能力又はその判断に従って自
分の行動をコントロールする能力が失われていたか(責任能力)の2点である。
第2 当裁判所の判断
1 前提となる事実関係
関係各証拠によれば,次の事実が認められる(括弧内の甲の番号は検察官請
求証拠の番号を,弁は弁護人請求証拠の番号を示す。)。
⑴ 被告人は,平成20年頃から懸賞金に当選した旨のメールを海外から複数
回受信し,メールの指示に従い合計約500万円の現金を送金したり,スペ
インに出向いたりしたが,金銭を受領できなかった(弁4)。
⑵ 被告人は,遅くとも昭和62年に統合失調症にり患し,精神鑑定時まで症
状が持続しており,統合失調症の症状である誇大妄想により,自分は詩で世
界を救う愛の詩人「A」であり,自分の詩を世界に広めるための出版費用を
受け取る権利があると考えていた(鑑定人B医師の公判廷における証言(以
下「B鑑定」という。))。
⑶ 被告人の母親は,平成24年から平成25年までの間並びに平成27年4
月又は5月及び同年6月に,海外に行ってお金を受け取りに行く旨述べる被
告人に対し,銀行から銀行へ送金すれば済むのに被告人自身が海外渡航しな
ければならないのはおかしい旨述べたことがあった(甲15)。また,被告
人の妹は,平成27年3月頃,海外に行って物を運ぶアルバイトがある旨を
述べる被告人との雑談の中で,「運び屋にさせられるんじゃないの。」など
と述べたことがあった(C証言)。
⑷ 被告人は,同月頃から国連関係者と称するDなる人物と,被告人が海外へ
赴き書類に署名すれば2500万ドルの資金を受け取ることができる旨のや
り取りをメールで行っていた(甲41,B鑑定)。
⑸ 被告人は,同年6月23日,中華人民共和国へ渡航し(甲37),上海の
ホテルに宿泊した。被告人の渡航・滞在費用はDが立て替えて負担していた
(甲42)。
⑹ 被告人は,同月27日夜(現地時間),宿泊先のホテルにおいて,Dが差
し向けた黒人女性から本件スーツケースを受け取った。その際,同人が本件
スーツケース内の荷物を取り出して整理を始め,その様子を見た被告人は,
本件スーツケース内に,リュックサック3個,男性用シャツ,女性用及び子
供用靴,毛布等が入っていることを確認した(甲41,被告人供述)。
⑺ 被告人は,同月28日(現地時間),上海浦東国際空港において,本件ス
ーツケースを機内預託手荷物として預けた上で,航空機に搭乗して中部国際
空港に到着した(甲37)。
⑻ 被告人は,同日,中部国際空港内の本

主文(判決文より)

被告人は無罪。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。