事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(わ)1738 |
| 判決日 | 2017-07-05 |
| 分類 | 民事 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑法130条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は強盗殺人の犯行についての殺意の有無であり,当裁判所は,被告人 が強い殺意(確定的殺意)を有していたと認めたので,以下その理由を補足して説 明する。 被告人の供述によれば,犯行態様は,立って正対した状態で被害者の首を両手で 絞め付けた上,被害者が倒れた後も,被害者の動きがなくなるまで絞め続けたとい うものと認められる。また,被害者の死体解剖を行ったB医師の証言によれば,死 因は頸部圧迫による窒息死であり,被害者は舌骨及び甲状軟骨を骨折していたほか, 眼瞼結膜,口腔粘膜,声門下粘膜に溢血点が存在していたことが認められる。なお, 被告人は,首を絞めた時間について,倒れるまで二,三分程度,倒れた後も二,三 分程度と述べているところ,B医師の証言を踏まえると,この時間的経過は医学的 にみても矛盾がない。 相当時間かけて首を絞めるという行為自体,通常,人を殺すためにとる行動と考 えられるところ,被告人は,5分前後の時間をかけ,しかも,被害者が倒れた後も 継続して,被害者が窒息死するに至るまでその首を絞め続けたものである。前記の とおり,舌骨等に骨折がみられることや,前記場所に溢血点が生じていることは, 頸部に強い外力が作用したことを示しているというB医師の証言にも照らすと,被 告人が強い殺意を有していたことを優に認めることができる。 これに対し,被告人は,被害者に発見され,大声を上げられたために,パニック 状態になり,静かにしてほしいとの一心で被害者の首を絞めたなどと述べて殺意を 否定する。しかし,被告人は,そのときの状況を詳しく記憶しており,状況に応じ た行動をとっていたとみられることからして,静かにしてほしいという思い以外の 意識や思考が働かなかったとは考えにくいし,そもそも被告人のいうような心理状 態にある者が,首を強く絞め続けたばかりでなく,被害者が倒れた後も絞め続ける という行動をとるとは到底思えない。殺意を否定する被告人の主張は採用できず, その余の弁護人の主張を検討しても,上記殺意の認定は左右されない。 (法令の適用) 被告人の判示第1の所為のうち,住居侵入の点は刑法130条前段に,窃盗の点 は同法235条に,判示第2の所為のうち,住居侵入の点は同法130条前段に, 強盗殺人の点は同法240条後段に,非現住建造物等放火の点は同法109条1項 に,死体損壊の点は同法190条にそれぞれ該当するところ,判示第1の住居侵入 と窃盗との間には手段結果の関係があるので,同法54条1項後段,10条により 1罪として重い窃盗罪の刑で処断し,判示第2の住居侵入と強盗殺人及び非現住建 造物等放火との間にはそれぞれ手段結果の関係があり,非現住建造物等放火と死体 損壊は1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから,同法54条1項前段,後 段,10条により結局以上を1罪
主文(判決文より)
被告人を無期懲役に処する。 未決勾留日数中250日をその刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。