事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ワ)667 |
| 判決日 | 2017-07-26 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法709条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及びこれに関する当事者の主張 ⑴ 本件事故と原告の傷害との因果関係の有無 (原告の主張) 原告は,本件事故によって,頚椎捻挫,腰椎捻挫の傷害を負った。 ア 本件事故の態様等について 原告は,平成27年7月13日午前8時10分頃,本件建物3階にある A銀行B支店の社員食堂へ食品を配送した後,同階から守衛室のある地下 1階に降りるために従業員用の本件エレベーターに搭乗した。 本件エレベーターは,下降を開始したものの階数を示すランプが3階か ら2階に切り替わったところで,「ガタン」,「ゴーン」という音ととも に強い衝撃が走り,急停止した。原告は,その衝撃のため体のバランスを 保つことができず,左側に体勢を崩し,台車の取っ手を掴んでいたため床 - 2 - に転倒するまでには至らなかったが,首及び腰を捻った。停止後も本件エ レベーターの扉は開かず,原告は,緊急コールのボタンを押したが連絡が なく,携帯電話の電波も届かなかったため,不安に感じながらもそのまま 待機せざるを得なかった。5分程度経ったところ,緊急コールの応答があ り,原告は状況を説明した。その後,守衛が外から扉を開けてくれたた め,原告は,外へ出ることができたが,そこは地下1階であった。 原告は,配送用の軽トラックに戻ってからも精神的な衝撃からしばらく 放心状態でいたが,少し落ち着きを取り戻してから配送業務を再開したと ころ,次第に後頭部,首,肩,腰が痛くなり,吐き気もするようになり, その日のうちにC整形外科を受診したところ,頚椎捻挫,腰椎捻挫と診断 された。 ところで,被告は,本件事故による受傷経緯に関する原告の供述が,客 観的状況と整合せず信用できない旨主張する。 しかしながら,人間は,体の各所の筋肉を働かせて重心を適切な位置に 維持することで直立姿勢を維持しているところ,不意の衝撃により重心の 位置がずれて体勢を崩すことはよくあることである。本件エレベーターが 急制動によって縦方向に衝撃が働いたとしても,人体に左右均等に力がか かるとはいえないし,衝撃を吸収するための反応も左右差が生じることは あり得るから,原告が本件事故によって体勢を崩すことは十分あり得る。 また,エレベーターが下降時に急制動をした場合の乗客の物理的な入力状 況と乗客の感覚は必ずしも一致するわけではないから,原告が本件事故当 時上方向に引っ張られたという感覚を持ったとしても不自然ではない。 イ 本件事故による衝撃について 被告は,本件エレベーターの本件事故当時の下降速度が毎分45m,ブ レーキスリップ距離が116㎜以上であることを前提に本件事故によって 原告が受けたであろう衝撃の程度を算出している(乙1,11)。しか - 3 - し,本件エレベーターが本件事故当時に下降定格速度どおりの運行がされ ていたことを裏付ける証拠はない
主文(判決文より)
1 被告は,原告に対し,44万0200円及びこれに対する平成27年7月1 3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用はこれを10分し,その7を原告の負担とし,その余を被告の負担 とする。 4 この判決は,1項に限り仮に執行することができる。
出典
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