簡易生命保険金請求事件

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号平成29(ワ)914
判決日2017-09-21
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文商法514条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張
原告らが,代表者を定めることなく,本件契約に係る死亡保険金の支払を求
めることができるか否か(争点①)
(被告の主張)
簡易生命保険契約の死亡保険金の支払を請求できる保険金受取人が複数い
る場合には,保険金受取人側の事情を知り得ない保険者が,保険金受取人間の
紛争に巻き込まれて二重払いする危険を回避する必要や,個々の保険金受取人
から請求されることによる手続の煩雑さを回避して迅速かつ確実な支払の実
現を図る必要から,簡保法及び本件約款には,死亡保険金の受取人が数人ある
ときは,代表者1人を定めて,その者が他の保険金受取人を代表して死亡保険
金の支払を請求することができる旨定められている。
本件契約に係る死亡保険金の受取人は,原告ら及びDであるところ,原告ら
は,死亡保険金の請求に際して,代表者を定めていないから,その支払を請求
することはできない。
(原告らの主張)
簡保法36条1項等の規定は,大量処理が必要な保険金等の支払事務の簡明
性,迅速性を確保するための請求手続を定めているにすぎず,死亡保険金の受
取人の代表者の選定がないことを理由にその受取人の権利行使を制限するこ
とまでは許されない。
よって,原告らは,それぞれ単独で取得した死亡保険金の支払を請求するこ
とができる。
遅延損害金の利率(争点②)
(原告らの主張)
保険には,保険を欲する者が集まって団体を形成し,その共同の計算におい
て保険をする相互保険と,保険を欲する者の他に保険営業者があり,その者の
計算において保険をする営利保険があるところ,簡易保険は相互保険ではない
ことが明らかであるから,簡易保険は営利性を有している。
そして,従来営利性を有しないとされていた相互保険についても,法改正に
より商行為に関する規定の準用規定が設けられるに至っているのであり(保険
業法21条2項),簡易生命保険事業に営利性がないからといって,商行為に
関する規定の適用を受けないとはいえない。また,保険業自体が公共性を有し
ているから,簡易生命保険事業に公共性があるからといって,商行為性が否定
されるものではない。
よって,本件契約に係る死亡保険金の支払の遅滞については,商法514条
が適用され,遅延損害金の利率は年6分となる。
(被告の主張)
簡易生命保険事業の主目的は,国民の経済生活の安定・福祉増進という公的
なものであり,その手段として,事業を確実・安定的に運営し,安価な保険料
で国民に簡易生命保険を提供している。そのような観点から,簡易生命保険事
業については,保険金等の支払について政府による債務保証がされているほか,
保険料の算出方法や約款内容について総務大臣の認可が必要とされるなど,民
間の生命保険事業とは異なる公法的な取扱いや規制がある。
このような点からすれば,簡

主文(判決文より)

1 被告は,原告Aに対し,100万円及びこれに対する平成29年3月2
3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告Bに対し,100万円及びこれに対する平成29年3月2
3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
5 この判決は,1項及び2項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。