損失補償裁決取消請求事件

事件の基本情報

裁判所名古屋地方裁判所
事件番号平成29(行ウ)14
判決日2017-11-02
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文憲法29条3項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,本件北側道路の新設に伴って必要になると原告の主張する本件宅
地のかさ上げ工事等につき,道路法70条1項の適用があるか否かであり,これに
関する当事者の主張は,以下のとおりである。
(1) 原告の主張
ア 本件仮換地指定がされる前,旧宅地の北側に道路は設置されておらず,雑木
が生えたりしていたが,旧宅地への北側からの出入りは支障なくできていた。
ところが,本件事業により本件北側道路が新設されると,本件宅地と本件北側道
路との間に最大で1.76m(本件宅地の西端付近)の高低差が生じ,本件宅地の
北側の通行が極めて困難となるから,従前の利用価値を維持するためには,本件宅
地のかさ上げ工事の実施が必要不可欠である。
また,本件宅地内にある本件居宅や本件物置についても,それらと本件北側道
路との距離が北東角でそれぞれ0.75m,1.5mしかない状況であるため,
生活環境への影響は甚大であって,塀や垣根の設置が必要である。
このように,道路の新設によりかさ上げ工事等が必要となったことから,道路
法70条1項の要件が満たされることは明白である(なお,α市は,本件宅地の
かさ上げ工事を実施することを一旦は約していたものである。)。
イ 被告は,本件において道路法70条1項の適用がない旨を主張するが,土
地区画整理事業に伴って道路が新設された場合に同項の適用が除外される旨の文
言は何ら存しない上,他にそのように解すべき根拠もない。むしろ,仮換地の指
定を受けた者は,当該宅地につき,排他的な使用収益権や処分権を有しており,
所有者と実質的に変わらないだけの地位を有する上,土地区画整理法に道路の新
設時における損失補償に関する規定が設けられていないことからすれば,道路法
70条1項に基づく損失補償の請求が当然に認められると解するのが合理的であ
る。
また,被告は,本件で原告が問題としている事項は,仮換地の指定又は換地処
分における照応の原則の問題であると主張するが,道路の新設に伴う損失及びそ
れに対応した工事の必要性の問題を照応の原則の考慮の中で取り上げることがで
きるのかにつき,明確な根拠は見当たらない(現に,被告は,照応の原則の中で
具体的にどのような考慮がされるのかを示すことができていない。)。むしろ,
照応の原則と損失補償とは別の問題である(そうであるからこそ,土地区画整理
法73条,78条といった損失補償に関する規定が,照応の原則に関する規定と
は別途設けられている。)し,照応の原則に関する考慮の中では,宅地のかさ上
げ工事を行うなどといった措置は想定されていないと解される。そうすると,被
告の主張を前提にすれば,本件仮換地指定を受けた原告に生じた上記アの支障は,
道路法70条1項の問題でもなく,照応の原則の中でも考慮されないということ
になるが,そうした

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。