事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(行ウ)107 |
| 判決日 | 2018-04-11 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件処分の適法性であり,具体的には,本件口頭審理放棄が原告 の真意に基づく有効なものといえるか否かである。この点に関する当事者の主張は, 以下のとおりである。 (1) 原告の主張 後記アないしウのとおり,原告に対する退去強制手続は,当初から送還の結論あ りきで進められ,名古屋入管の職員は,送還の妨げとなる事情の聞き取りを行わず に独断で書面を作成し,送還にちゅうちょを示す原告の態度を無視し,本件口頭審 理放棄書に署名指印させた。したがって,本件口頭審理放棄は,原告の真意に基づ かずにされた無効なものであって,本件処分の前提となる手続に重大な瑕疵がある から,本件処分は違法である。 ア 名古屋入管の職員は,名古屋入管収容場に収容された原告に対し,「あなた はオーバーステイだからベトナムに帰らなければならない。」,「ベトナムに帰る と言えば,すぐにここから出ることができる。」,「逆に日本に残ると言えば,こ の先何か月も入国管理局に収容され続けることになる。」などと原告を畏怖させる 発言を繰り返したため,原告は,収容を継続されたくない一心で本件口頭審理放棄 書に署名指印したものである。 イ 本件違反調査は,簡単な日本語しか理解することができず,日本語を上手に 話すことができない原告に対して,日本語により行われたため,原告の真意を反映 しない本件供述調書が作成された。また,原告に対する退去強制手続が送還の結論 ありきで進められたことは,本件供述調書に不実の記載があることからも明らかで ある。すなわち,本件供述調書には,原告が,「未払い給料等はありません。」, 「荷物やお金は今持っている分だけです。」と述べた旨の記載があるが,実際には, 摘発当時,原告には未払の給与があり,後日原告の知人がこれを受領しているし, 原告の自宅には荷物が残されていたのであるから,原告が上記各供述をするはずが ない。Aは,原告に対する早期の送還を妨げる事情について,原告からの聞き取り に基づかずに,あえて不実の記載をしたものと考えられる。 また,原告は,平成27年9月頃に知り合い,交際していたCとの間で,平成2 8年5月には婚姻することを合意し,具体的な手続について知人から説明を受ける 予定まで立てていたのであるから,同年4月21日に摘発された原告には,早期の 帰国を希望する動機がなかった。このことも,本件供述調書が原告の真意を反映し たものではないことを裏付ける事情といえる。 ウ Bは,原告に婚約者がいる旨の記載がない反面,早期帰国希望であるかのよ うな記載がある本件供述調書に目を通して本件審査に臨んだため,原告が本邦在留 の意思を有していることに全く気付かなかった。そして,Bは,本件審査の結果を 原告に通知した後,原告に対して,ベトナム語で記載された「退去強制手続の流れ」
主文(判決文より)
1 名古屋入国管理局主任審査官が平成28年4月25日付けで原告に対し てした退去強制令書発付処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。