事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成26(ワ)3241 |
| 判決日 | 2019-02-22 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 民法715条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 被告の注意義務違反の有無 ⑵ 相当因果関係の有無 ⑶ 損害の発生及びその額 3 争点に対する当事者の主張 ⑴ 争点⑴(被告の注意義務違反の有無) (原告の主張) ア 債務不履行責任(安全配慮義務違反) 安全配慮義務違反 被告は,施設サービス利用契約上,原告及びbに対し,入所利用者で あるbに対して必要な保護を行って,bの生命及び身体の安全を確保す るよう配慮する義務(安全配慮義務)を負う。 そのため,被告には,利用者の無断外出を防ぐために,正面玄関に通 じる天使の扉を開けたままの状態にせず,かつ,天使の扉が開いている 状態のときは,利用者が天使の扉から出て行かないよう利用者の行動を 観察する義務があった。しかし,本件事故当日,aの職員は,天使の扉 を開けたままにし,かつ,bの行動を観察していなかった。 したがって,被告には,安全配慮義務違反が認められる。 予見可能性 a 無断外出の予見可能性 bは,自閉症,知的障害及び双極性障害により多動傾向があり,普 段から扉が開いている状態であればそこから外へ出ようとしていた。 aの職員も,bがすぐにどこかに行ってしまうため,aの施設外での 散歩の際には常にbと手をつないでいた。bの保護者も,施設に対し, 毎年行われる保護者面談の際に,bが無断外出する可能性がある旨及 びbが無断外出しないよう注意してほしい旨を繰り返し伝えていた。 また,bは,本件事故当日,指先運動等に興味を示さず,繰り返し 天使の扉の前に行き,職員に連れ戻されていた。加えて,午前9時3 0分には失禁し,精神的に不安定な状態にあった。 上記のbの特性,普段の様子及び本件事故当日の行動からすれば, 被告の職員は,天使の扉が開いていればbがそこから外に出てしまう ことを予見することができた。 なお,仮に本件事故当日,bが精神的に不安定な状態ではなく落ち 着いた状態だったとしても,精神的に落ち着いていることで,一瞬の 隙を見つけて無断で外に出る可能性はより高まるから,被告の職員に は,bが無断で外に出ることについて予見可能性が認められる。 b 死亡の予見可能性 重度の知的障害者が施設外に出ると,交通事故等様々な原因で死亡 する危険性が十分にある。 また,食べ物を喉に詰まらせて死亡することについても,bが普段 から一度に多くの食べ物を詰め込んでしまう駆け込み食いの癖がある こと,aでも職員が食事を取り分けていたこと,bが他のa利用者の 食べ物を盗食しようとしたことがあること,その際,aの職員が食べ 物を喉に詰めると危険だと考えてbの口の中から食べ物を掻き出した ことがあること,本件事故以前にaの施設を出て散歩した際,無断で 職員から離れてコンビニエンスストアに入り,陳列されていたポテト チップスを食べたことがあることからすると,被告の職員は,bが自 由に物
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。