事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(わ)2573 |
| 分類 | 民事 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点に対する判断) 1 争点 弁護人は,①被告人は被害者を突き刺しておらず,被告人が持っていた包丁が何らか の原因で被害者の胸部に刺さってしまったものであり,殺意はなく傷害致死罪が成立す るにとどまる,②本件犯行当時,被告人は,自閉スペクトラム症に基づく特定不能の解 離症のため責任能力が著しく低下しており,心神耗弱であった旨主張する。当裁判所が 殺意及び完全責任能力を認めた理由は,以下のとおりである。 2 行為態様及び殺意の有無について ⑴ 被害者の胸部刺切創について ア 証拠によれば,被害者の胸部右側に,右心房前壁を刺通する深さ約9センチメー トルの刺切創があること,同刺切創の刺入口及び傷の内部は,乱れがなく整った形 - 1 - 状であること,同刺切創は被告人が本件犯行直前に手に持っていた鋭利な包丁によ って生じたことが認められる。 イ なお,同刺切創につき,被害者の遺体を解剖したC医師は,胸骨右縁に長さ約0. 9センチメートルの切痕が形成されていることから,凶器を刺入したときに強い力 が加わっていたと考えられる旨供述する。C医師は,司法解剖に関して十分な専門 的知識と経験を有し,解剖の際に直接切痕の断面部分を視認した上で,解剖写真上 の白色部分は骨で赤色部分が骨髄である旨明確に供述しており,その説明内容は合 理的で説得的なものである。 これに対し,D医師は,胸骨ではなく肋軟骨が切り込まれているにとどまる旨供 述する。D医師も司法解剖の専門的知識・経験を有する者であるが,同人の供述は, C医師による解剖写真の一部を撮影趣旨とは異なる趣旨で取り上げて論難したり, 解剖写真上は判然としない被害者の胸骨及び肋軟骨の位置や幅を一義的に特定し て論じたりするもので,説明内容の前提の正確性や判断の合理性に疑問がある。 そうすると,D医師の指摘を検討してみても,C医師の上記説明に不合理な点は なく,同人の供述によれば,被害者の胸骨右縁は約0.9センチメートル切り込ま れており,刺入時に強い力が加わっていたと認められる。 ウ 以上の事実からすると,本件犯行直前に被告人が手に持っていた鋭利な包丁が, 被害者の胸部右側に胸骨を切り込むほどの強い力で,右心房に至る約9センチメー トルの深さにまで一気に刺入されたと認められる。そして,被害者の胸部刺切創の 刺入口及び内部が整った形状であることから,被害者は動いていない状態で刺突さ れたものと認められる。 ⑵ 本件犯行に至る経緯について ア 本件犯行前日までの経緯 証拠によれば,以下の事実が認められる。 被告人は,被害者の中学受験のため,仕事から帰宅後に勉強を教える際に声を荒 げたり,たたいたりすることがあったが,被害者が小学校5年生の冬頃から,勉強 - 2 - を教えるに当たって被害者が反抗的な態度を見せたときに,被害者にカッター
主文(判決文より)
被告人を懲役13年に処する。 未決勾留日数中810日をその刑に算入する。 名古屋地方検察庁で保管中の包丁1本(平成29年領第1181号符号7) を没収する。 訴訟費用は被告人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。